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明方
「明方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
突端の処ですが、」 「もう、夜があけましたのでございますか。」 「明けたですよ。
明方です、もう日が当るばかりです。」 聞くや否や、 「ええ!」とまた身を震わし....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ある、雑樹林の中へ来い。三日とも思うけれど、主人には、七日と頼んで。すぐ、今夜の
明方から。……分ったか。若い女の途中が危い、この入口まで来て待ってやる、化される....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
もそれなりけり。 余りの事に、取逆上せさしったものと見えまして、喜太郎様はその
明方、裏の井戸へ身を投げてしまわしった。 井戸|替もしたなれど、不気味じゃで、....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
ような音が聞えて、吃驚して目が覚める、と寝汗でぐっちょり、それも半分は夢心地さ。
明方からこの風さな。」 「正寅の刻からでござりました、海嘯のように、どっと一時に....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
朝六つの橋を、その
明方に渡った――この橋のある処は、いま麻生津という里である。それから三里ばかりで....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
釣されるようにして渡った時は、顔が赫とする晃々と烈い日当。 こういうと、何だか
明方だか晩方だか、まるで夢のように聞えるけれども、渡を渡ったには全く渡ったですよ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
れて食べさして発せて下さい。時に、帰途はいつになろう。…… 晃 さあ、夜が短い。
明方になろうも知れん。 学円 明けがた……は可いが、(と草鞋を穿きながら)待て待....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ったに違いないですが、よく聞きとれませんでした。それきり口はきかないで、その夜の
明方に息を引取りました……。それから政夫さん、こういう訣です……夜が明けてから、....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
時近いのだが俺はどうも夜おそくならないと油がのって来ないのでなにか書く時には必ず
明方近くまで起きてしまう。それに近頃は日が長くなったので晩飯を食うとすぐ七時半頃....
「昔尊く」より 著者:上村松園
か、私の十九歳の頃のことでした。明治二十五、六年の、忘れもしない四月二十一日の夜
明方、隣の雑貨屋さんから火が出まして、私どもの家もおかげで半焼のうき目にあったの....
「発明小僧」より 著者:海野十三
を来たすものであり。 いくら注意を与えても、乗客は云うことをきかないので、本発
明方式を提供した次第である。これを採用するときは天罰覿面、乗客は反省するであろう....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
事ないけれど』 源兵衛『言いがかりもいい加減にしやれ、さあ、もう夜明けも間近だ。
明方までにそなたも御主家へ戻らずば首尾が悪るかろう。その松明をこっちへ渡しや』 ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
を光明的に見た詩句であります。これに反して、心を腐らし、自分から宇宙に遍満する光
明方面を遮って暮している人間は、一見体裁よくとも、生命の底の幸福や逞しさに欠けて....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
がまた密生して居た。池をかこんだ樹陰のほの暗さ、池はその周囲の幽暗にくまどられ、
明方の月のように静寂な水の面貌を浮べていた。白鳥が二三羽いた。落葉が水上で朽ちて....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
唄を、聞きあきるということはありませんでした。 クリスマスの朝、まだほのぐらい
明方に、ジョウが一ばんさきに目をさました。ジョウは、おかあさんとの約束を思いだし....