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「明晩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明晩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ぎ》を受けていたが、あなたに対しても同様の交際を続ける必要のないのを遺憾に思う。明晩(すなわちその夜)のお招きにも出席しかねる、と剣《けん》もほろろに書き連ねて....
冬の日」より 著者:梶井基次郎
い疲労とともにそれを感じた。 彼が部屋で感覚する夜は、昨夜も一昨夜もおそらくは明晩もない、病院の廊下のように長く続いた夜だった。そこでは古い生活は死のような空....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
して、ヒイヒイと咽《むせ》んで泣く。やがて夫の光国が来合わせて助けるというのが、明晩、とあったが、翌晩《あくるばん》もそのままで、次第に姫松の声が渇《か》れる。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いるので、袖の端をちょいと突いて、 「さあ、」 め組は威勢よく、 「へい、跡は明晩……じゃねえ、翌の朝だ。」 「待なッてば、」 「可いよ、めのさん。」 「はて....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
で、安価い竈を背負って立つ、所帯の相棒、すなわち梅次に仔細を語る。……会のあった明晩で、夏の日を、日が暮れてからやっと帰ったが、時候あたりで、一日寝ていたとも思....
空中墳墓」より 著者:海野十三
てそれを断った。相良は一寸いやな顔をした。 「ではいつ御返事願えましょうか」 「明晩までに」 私は驚く相良を尻目にかけて、きっぱり言った。 「当日お電話します....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
思う意味なり。 ◯久し振りにわが作品放送、子供の時間「潜水島」の第一夜、つづきは明晩。 五月七日 ◯昨日、焼跡の大下(宇陀児)邸二度目の訪問。今度は氏に会えた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も食べるというくらいのことです。この前日に京都の松茸を頂いたのは有難い。おかげで明晩の御料理が一つ殖えました。そういう次第で、なんにも御馳走はありませんけれども....
火星兵団」より 著者:海野十三
わかりました。そうして、異常運動はごくわずかですが、はげしくなって行くようです。明晩の月に特にご注意下さい。望遠鏡で月の面をごらん下さい。その時、月の面に、何か....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
来あがらない。一席ごとに皆それぞれの山を作って、昨晩の聴衆を今晩へ、今晩の聴衆を明晩へと引き摺って行かなければならない。その点は新聞の続き物と同様であるが、新聞....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
書類に、あなたの署名を願いたいのです。それから、もし今晩何事も起こらなかったらば明晩明晩も駄目であったらば明後日の晩というふうに、毎晩つづけて実行してみましょ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
来なかった。 「もう行かなければなりません」と、幽霊は起ちあがりながら言った。「明晩もどこかでお目にかかりましょう。そうして、あなたがわたしに加勢する……わたし....
日置流系図」より 著者:国枝史郎
巻物を載せニタニタ笑いながら座敷へはいると、遠慮なく高胡坐をかいたのである。 「明晩から幽霊は出ますめえ。よく云い聞かして来ましたからの。いや面白い幽霊でね。俺....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
で彼はカッとしてしまった。カッとした心で夢中のように誓った。 「それでは必ず明晩にも……」 「そう」とお蝶は頷いて見せた。 「では妾は明日の晩には、あなた様....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
見惚れていたが、 「奥様、私なんかの手並に驚いていらッしゃるようじゃ駄目ですわ。明晩の舞踏会に無論ご出席なさるんでしょうが、あの観光団の中には世界的なスリの名人....