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明朗
「明朗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明朗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅」より 著者:海野十三
いものだ。蠅が一匹止まっている。それさえ何となく、ホーム・スウィート・ホームで、
明朗さを与えるもののように思われた。蠅のやつも、恐らく伸び伸びと、この麗かな部屋....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
にか入り込んで来た外客のために、辺りは平常のざわめきに立ち返り、階下の楽器部から
明朗なジャズの音が、ギャラリーを行き交う人々の流れを縫ってゆるやかに聞えていた。....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
って左隣の芸術写真師に訊いた。 「ママンにサヴォン・カディウムを訊かれちゃった」
明朗な写真師の青年は、手柄顔に一同に披露した。 女たちは、タイラントに対する唯....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
うようにして、花の慰問団の写真をのせた。 そのときカメラの焦点は、つねに一人の
明朗な、はつらつたる美少女に合わされていた。その少女こそ、ほかならぬ房枝であった....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
おり小間使だが、こんど主人公の希望に従って、貴女は洋装をしてもらわねばならない。
明朗な娘になるのです。いま国策で問題になっているが、これも仕事のうえのことだから....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
級ではあるけれど日満両帝国一体となっている今日、日本人にとっては盟邦に於ける最も
明朗なる行事として娘々廟の娘々まつりを知っているものが少くないのであって、それ位....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
さめるような丹塗り、又壁は白塗りでございますから、すべての配合がいかにも華美で、
明朗で、眼がさめるように感じられました。 私はそこですっかり身づくろいを直しま....
「春」より 著者:岡本かの子
女の妙なたたずまいから発散する一種の陰性な気配に打たれた。だが学生は直ぐに単純な
明朗らしい気持に帰って、京子をこの家の者か親戚の者かと解釈して、 ――御免下さい....
「明暗」より 著者:岡本かの子
の問題にされていなかった。 智子も始は、若年の医者豊雄に好感を持っていた。濶達
明朗で、智識と趣味も豊かに人生の足取りを爽かに運んで行く、この青年紳士は、結婚し....
「影」より 著者:岡本綺堂
(いよいよ調子が崩れて来る。)ええ、ええ、大いに朗かよ。この頃の流行り言葉で、
明朗とか云うんですよ。それでも月に村雲、朗かな人間にも時々に虫の居所の悪いことが....
「明治懐顧」より 著者:上村松園
す。何となく私達の修行時代、明治年間を想わすものがありますが、若きその頃の画人は
明朗で元気一杯でありました。 (昭和十八年)....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を鳴らして過ぐ。今夜もまた終宵太陽の没することなし。夜半には天全く晴れ渡り、日光
明朗、自然の美を現し、その風光奇にしてかつ妙なり。これを昨夜に比するに、前夕は夜....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
つ読物といわず、またこの弊に陥っています。そのことが、いかに、純情、無垢な彼等の
明朗性を損うことか分らないのみならず、真の勇気を阻止し、権力の前に卑屈な人間たら....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
に追従せんと苦心する文筆家が、即ちそれであるが、文章に、自然なところがなく、また
明朗さがなく、風格がなく、何等個性の親しむべきものなきを、如何ともすることができ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
実に如才のない、頓智のある気の利いた子でした。 小学校へ入ると直ぐ級長になり、
明朗で頭が鋭いと先生も褒めて下さる。悧口だ、美しい子だと親類中の褒めものになり、....