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「明笛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明笛の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
、表を通る駒下駄の音さえ手に取るように茶の間へ響く。隣町《となりちょう》の下宿で明笛《みんてき》を吹くのが絶えたり続いたりして眠い耳底《じてい》に折々鈍い刺激を....
睡蓮」より 著者:横光利一
なかった。 高次郎氏とも私は顔を合すというような機会はなかった。月の良い夜など明笛の音が聞えて来ると、あれ加藤の小父さんだよと子供の云うのを聞き、私も一緒に明....
日清戦争異聞(原田重吉の夢)」より 著者:萩原朔太郎
》すべしという歌が流行《はや》った。月琴《げっきん》の師匠の家へ石が投げられた、明笛《みんてき》を吹く青年等は非国民として擲《なぐ》られた。改良剣舞の娘たちは、....
二人の弟たちへのたより」より 著者:宮本百合子
先からもうチラホラ朝鮮の人のバラックが建っていて、夕方など通りがかると夕餉の煙と明笛の音がきこえたりします。 前の河村さんで兎を相当どっさり飼っていることは知....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
近くなったので勝川おばさんは涼みながら来ては、蛇三味線《じゃみせん》を入れるの、明笛《みんてき》も入れるのと話していた。彼女には、漸《ようや》く昔の賑やかな生活....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
と住んでいる由。朝鮮の唄声、朝鮮の笛の音が、朝目をさましたときからきこえました。明笛は独特の哀調がありますね。唄は南ロシアの半東洋民族の節に似ていていろいろ興味....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
を隔てた十日市に下宿していた。 或る夏の日私が馬洗川の堤を散歩していると、彼が明笛を吹きながら向こうから歩いて来た。麦藁帽子をスマートに、リボンで飾って、矢が....
少年の食物」より 著者:木村荘八
同時に鳴物が好きで、種々の楽器を好んで鳴らしました。手風琴、吹風琴、ハーモニカ、明笛など。或いは楽器で遊んだ時間が子供の中は一番多かったかもしれません。それに次....