昏絶[語句情報] » 昏絶

「昏絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昏絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
ません。ぼくの自己弁解です。ぼくは幼年時、身体が弱くてジフテリヤや赤痢で二三度|昏絶《こんぜつ》致しました。八つのとき『毛谷村六助』を買って貰ったのが、文学青年....
李陵」より 著者:中島敦
《かんじょ》には誌《しる》されている。この荒療治のおかげで、不幸にも蘇武は半日|昏絶《こんぜつ》したのちにまた息を吹返した。且※侯《そていこう》単于はすっかり彼....
三国志」より 著者:吉川英治
斐がある」と歎いた。 果ては、楊彪と抱きあって、路傍に泣きたおれ、朱雋は一時|昏絶するほど悲しんだ。 そのせいか、老人は、家に帰るとまもなく、血を吐いて死ん....
三国志」より 著者:吉川英治
、心外なおことばを!」 一声、気を激して、恨めしげに叫ぶと、辛評は、地に仆れて昏絶したまま、息が絶えてしまった。 袁譚はひどく後侮して、郭図に善後策をはかっ....
三国志」より 著者:吉川英治
いうまでもない。 わけて、玄徳は、 「何たることか!」 と、悲涙にむせんで、昏絶せんばかりだった。 激しやすい張飛のごときは、 「宋忠の首を刎ねて血祭りと....
三国志」より 著者:吉川英治
瑜を地上に生ませ給いながら、何故また、孔明を地に生じ給えるや!」 云い終ると、昏絶して、一たん眼を閉じたが、ふたたびくわっと見ひらいて、 「諸君。不忠、周瑜は....
三国志」より 著者:吉川英治
外殿の廊まで聞えてきたほどだった。帝はお髪をつかみ、身を慄わせて、天へ叫び、地へ昏絶された。 「こんなことが、天日の下に、あってもいいものか、この地上は、人間の....
三国志」より 著者:吉川英治
した。 「おおっ、関羽はついに、この世の人でなくなったか」 と、慟哭のあまり、昏絶して、以来三日のあいだ、食もとらず、臣下にも会わなかった。――が、孔明だけは....
三国志」より 著者:吉川英治
谷底へおりて行った。あわれ張苞、岩角に頭を打ちつけたため重傷を負い、流れのそばに昏絶していた。 郭淮と孫礼が惨たる姿で逃げ帰ってきたのを見ると、仲達は慙愧して....
黒田如水」より 著者:吉川英治
兵衛はまだ利く片脚と両手の槍を振りまわしていた。 ひややかな夜気は彼を一たんの昏絶から呼び醒ましていた。官兵衛は気がついたまま、ぽかんと眸をうつろに天へ向けて....