易い[語句情報] » 易い

「易い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

易いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ていた。――彼は未だにありありとこの朝の百本杭を覚えている。三十年前の本所は感じ易い信輔の心に無数の追憶的風景画を残した。けれどもこの朝の百本杭は――この一枚の....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
して、私の口から申し上げますのも、異なものでございますが、至って素直な、はにかみ易い――その代りまた無口過ぎて、どこか影の薄いような、寂しい生れつきでございまし....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
随分世を世とも思わない、御放胆な真似もなすったのでございます。 そこで噂を立て易い世間には、この御姫様御自身が、実は少納言様の北の方《かた》と大殿様との間に御....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
びと》よりも、まだしも黒ん坊がましかも知れない。しかしこれも大体の気質は、親しみ易いところがある。のみならず信徒も近頃では、何万かを数えるほどになった。現にこの....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
しなくなったか、――その訳が彼女には呑みこめなかった。勿論お蓮は何度となく、変り易い世間の男心に、一切の原因を見出そうとした。が、男の来なくなった前後の事情を考....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
《すわ》っている女を。」 僕は誰にでも急《せ》っつかれると、一層何かとこだわり易い親譲りの片意地を持合せていた。のみならずそのボオトの残した浪はこちらの舟ばた....
おしの」より 著者:芥川竜之介
霊魂の家である。家の修覆《しゅうふく》さえ全《まった》ければ、主人の病もまた退き易い。現にカテキスタのフヮビアンなどはそのために十字架《じゅうじか》を拝するよう....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
と申せば若者らしい、何ごとも色に露《あら》わすのを恥じぬ、――その代りに多少激し易い気質だったかと思いまする。」 三右衛門はちょっと言葉を切り、さらに言葉をと....
仙人」より 著者:芥川竜之介
び》がはえる。冬もまた、風が吹くやら、雪がふるやらするので、とかく、商売がすたり易い。そう云う時には、ほかに仕方もないから、うす暗い客舎《はたご》の片すみで、鼠....
早春」より 著者:芥川竜之介
とかげ》の中にいつまでもじっと佇《たたず》んでいる。あすこは存外《ぞんがい》暮れ易いだろう。そのうちに光は薄れて来る。閉館の時刻《じこく》もせまって来る。けれど....
少年」より 著者:芥川竜之介
な発見をした。それは誰も代赭色の海には、――人生に横わる代赭色の海にも目をつぶり易いと云うことである。」 けれどもこれは事実ではない。のみならず満潮は大森の海....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
統《す》べる「偶然」の存在も認めるものである。が、あらゆる熱情は理性の存在を忘れ易い。「偶然」は云わば神意である。すると我我の自己欺瞞は世界の歴史を左右すべき、....
手紙」より 著者:芥川竜之介
。現にK君やS君は二人とも肥ってはいないのです。のみならず二人とも傷《きずつ》き易い神経を持って生まれているのです。が、K君はS君のように容易に弱みを見せません....
犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
丹念に出来上っている。若し欠点を挙げるとすれば余り丹念すぎる為に暗示する力を欠き易い事であろう。 それから又犬養君の作品はどれも皆柔かに美しいものである。こう....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ないものだから」というた。この頃デビーは塩化窒素の研究中であったが、これは破裂し易い物で、その為め目に負傷をして※衝を起したことがある。自分で手紙が書けないので....