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易者
「易者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
易者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
肚《なか》が痛むんでねえ。――熱もまだ九度《くど》からあるんだとさ。」
叔母は
易者《えきしゃ》の手紙をひろげたなり、神山と入れ違いに来た女中の美津《みつ》と、....
「世相」より 著者:織田作之助
感じたからである。その時女は五十一歳、男は五十六歳――とする)戎橋筋は銀行の軒に
易者の鈍い灯が見えるだけ、すっかり暗かったが、私の心にはふと灯が点っていた。新し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いたが、それでも食物屋《くいものや》のほかに、大道商人《だいどうあきんど》や大道
易者の店も相当にならんでいた。
易者は筮竹《ぜいちく》を襟にさし、手に天眼鏡を持っ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の青年があって、いわゆる放縦不覊の生活を送っていたが、ある時その生年月日をもって
易者に占ってもらうと、あなたの寿命は三十を越えないと教えられた。 彼もさすがに....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と舁いて、釣台へ。 お先立ちがその
易者殿、御幣を、ト襟へさしたものでござります。筮竹の長袋を前半じゃ、小刀のように....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
、その爺のためにお米が飛んだことになりました。」 九 「まずあれは
易者なんで、佐助めが奥様に勧めましたのでございます、鼻は卜をいたします。」 「卜....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
者かこれ店を拡げて、薄暗く控えた商人あり。 ともすると、ここへ、痩枯れた坊主の
易者が出るが、その者は、何となく、幽霊を済度しそうな、怪しい、そして頼母しい、呪....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
あのアセチリン瓦斯の匂いと青い灯。プロマイド屋の飾窓に反射する六十燭光の眩い灯。
易者の屋台の上にちょぼんと置かれている提灯の灯。それから橋のたもとの暗がりに出て....
「終戦前後」より 著者:織田作之助
終戦前後 織田作之助 小は大道
易者から大はイエスキリストに到るまで予言者の数はまことに多いが、稀代の予言狂乃至....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
った。 その明りがあるから、蝋燭も電池も要らぬ。カフェ・ピリケンの前にひとり、
易者が出ていた。今夜も出ていた。見台の横に番傘をしばりつけ、それで雪を避けている....
「楠公夫人」より 著者:上村松園
と思っている。 それから祇園の裏手にある建仁寺――私が幼少の折りそこの両足院の
易者に私の四柱をみて貰った思い出のある寺であるが、この建仁寺の襖にも天女を描く約....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
。 私の七つか八つの頃のことである。 母と一緒に建仁寺へ行ったとき、両足院の
易者に私の四柱を見てもらったことがある。 四柱というのは、人の生まれた年・月・....
「想い出」より 著者:上村松園
ょう。母が自分の身を犠牲にして一心に私に絵の勉強をさしてくださいましたのも、この
易者の言葉が陰で相当力を与えていたかも知れません。 話が横道に外れましたが、先....
「千代紙の春」より 著者:小川未明
ないよ。」と、争っていました。 このとき、集まった人々の中から、頭髪を長くした
易者のような男が前に出てきました。 「おばあさん、こんなめでたいことはありません....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
。 不景気には勝てないものと見えて、北浜の仲買店も毎日ベソのかきつづけである。
易者に見てもらっても、生駒の聖天さんにお参りしても少しもよい封が出ない。稲荷さん....