»
昔
「昔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
いく子さんに献ず
一
昔、大和《やまと》の国|葛城山《かつらぎやま》の麓に、髪長彦《かみながひこ》とい....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いしょく》の見え出した時分である。
「僕はそいつを見せつけられた時には、実際|今
昔《こんじゃく》の感に堪えなかったね。――」
藤井は面白そうに弁じ続けた。
「....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
志の疑惑をも解かなければならなかった。山科《やましな》や円山《まるやま》の謀議の
昔を思い返せば、当時の苦衷が再び心の中によみ返って来る。――しかし、もうすべては....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
じるのか。自分ながらも、少しく、その説明に苦しまずにはいられない。ただ、自分は、
昔からあの水を見るごとに、なんとなく、涙を落したいような、言いがたい慰安と寂寥《....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
―そう云うものは確かに存在するでしょう。しかしどうも恋愛だけはイザナギイザナミの
昔以来余り変らないように思いますが。
主筆 それは理論の上だけですよ。たとえば....
「運」より 著者:芥川竜之介
《あか》ちゃけた土器《かわらけ》の肌《はだ》をのどかな春風に吹かせながら、百年も
昔からそうしていたように、ひっそりかんと静まっている。どうやらこの家の棟《むね》....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
ったのである。 爾来更に何年かを閲した今日、僕は卒然飯田蛇笏と、――いや、もう
昔の蛇笏ではない。今は飯田蛇笏君である。――手紙の往復をするようになった。蛇笏君....
「狂女」より 著者:秋田滋
な女がひとり住んでいた。たび重なる不幸で頭が変になってしまったんだね。話はすこし
昔にかえるが、この女は二十五の年紀に、たった一月のうちに、その父親と夫と、生れた....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の安否を問い、幾度か
昔救われたることを述べ、予が労れをいたわりて馳走かぎりなし。翌日は先ず観音へ案内....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
また階下には小さな化学実験室がある。これは初めに小講堂であった室で、その先きに、
昔からの実験室がある。その先きに暗い物置があるが、これから狭い階段を登ると、場長....
「寡婦」より 著者:秋田滋
た。 「ねえ、伯母さま、恋のお話をして下さいな」 すると私の母は、たわむれに、
昔から語り伝えられて来た、一家のさまざまな話、先祖たちの火花を散らすような恋愛事....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
女は着ているものを見ればわかるように、いささか仇っぽいところもあった。彼女の服は
昔風なところに最新流行をまじえたもので、それがまことに彼女の魅力をしたたるばかり....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
んでいた。そして、出たり這入ったりする人を眺めては、その数知れぬ顔のうえに、遠い
昔のなつかしい面差を探しているのだった。これこそ自分の息子に違いないと思われる顔....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
とが出来ない殺戮の要求を満たすに足りない。われわれには人さえ殺す必要があるのだ。
昔は人身御供ということをして、この要求を満たしていた。だが、今では社会生活を営む....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
昔、ある北の国の山奥に一つの村がありました。その村に伊作、多助、太郎右衛門という....