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昔人
「昔人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昔人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
外には無いように見えたが、やはり寂しいらしかった。だが、情愛の発露の道を知らない
昔人はどうにも仕方なかったらしい。掃き浄めた朝の座敷で幽寂閑雅な気分に浸る。それ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
入して来たように考える諸君もあるかも知れんが、そう思うのは大《だい》なる誤りで、
昔人《せきじん》も夫子《ふうし》の道一《みちいつ》以《もっ》て之《これ》を貫《つ....
「千年後の世界」より 著者:海野十三
顔のカタログをみて、そのうちで一等好きな顔に直してもらったのです。顔の美醜ほど、
昔人類を悩ましたものはありません。だが考えてみると、あの頃の人間も知恵のない話で....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
し》六フィート、止期《やみご》なしに種々異様に身を曲げ変る。それを訛ったものか、
昔人この蛇毒を以て他動物を殺さんとする時、口に尾を銜《ふく》みて、箍《たが》状《....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たは皮あって、その内で孵《かえ》った子供が自活し得るようになって始めて出で去る。
昔人この事に気付いたものか、和漢とも雌雄の海馬を握れば安産すといい、その母愛さる....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
下《むげ》の蛮民を猴と混同したもあるべきか(タイラー『原始人文篇』一巻十一章)。
昔人多からざりし世に猴ばかり住んだ地方ありしは疑いなく、さてタイラーも言ったごと....
「死者の書」より 著者:折口信夫
ることが、出来ることか試して見や。 うま人を軽侮することを、神への忌みとして居た
昔人である。だが、かすかな軽しめに似た気持ちが、皆の心に動いた。 夏引きの麻生の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る日こそ、人間は水火風三界の主となり、他の生ある万物に対しては、いにしえの神々が
昔人間に対して有していたような地位を、獲得するに至るだろう。奮励せよ、そして前進....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
深山に下り芹を摘み、山河の流れも早き巌瀬に菜をすすぎ、袂しほれて干わぶる思ひは、
昔人丸が詠じたる和歌の浦にもしほ垂れつつ世を渡る海士も、かくやと思ひ遣る。さま/....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
しん》の裏《うち》絶《た》えて無《な》きのこと、夢寐《むび》に形《あらわ》れず、
昔人《せきじん》謂《い》う、男《おとこ》、子《こ》を生《う》むを夢《ゆめ》みず、....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
包まれて走りおるなり、ああ帆船「ビアフラ」は、余を乗せてどこまで走らんとするか、
昔人は云えり、地球の果は一大断崖にて船もしそこに至れば、悪魔の手に引込まれて無限....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
き散らすことはないらしい。 三原山は多量の煙をださない代りに多量の熔岩をだす。
昔人々がとびこんで自殺した火口は去年以来のバクハツごとに熔岩でふくれあがり、今で....
「いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
(漁師町)の浜に、小舟からわずかばかり揚がるそれを第一とする。その見所は、今人と
昔人と一致している。鎌倉小坪のかつお、これは大東京などと、いかに威張ってみても及....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るいは腹を立てて人民に害を与え仇を加える事がある。例えば耶蘇教の神さんでも、その
昔人民が罪悪に陥って済度し難いからというて大いに憤り、大洪水を起して総ての罪悪人....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
から祭り始めたのではないかと思わるる仔細がある。陸中|水沢に近い化粧坂の薬師が、
昔人柱に立った京の小夜姫という女の護持仏と伝え、またこの日を以て祭られるなどはそ....