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「昔日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昔日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
貪《むさぼ》りつくしてしまったのである。そうして、いまでも、その巨人化と密生とは昔日《せきじつ》に異らなかった。相変らず、その薄気味悪い肥土を啜《すす》りとって....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
わらないが、あまたの子持ちとなった今のわが目には特別な意味を感ぜぬわけにゆかぬ。昔日のことが夢でなくて、今の現在がかえって夢のように思われてならない。老いさらぼ....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
のチェリーなんだ。チェリーはこの頃、断然ナンバー・ワンだよ。君江も居るには居るが昔日の俤無しさ。しかし温和しくなった。温和しいといえば、あの事件からこっち、不思....
地球盗難」より 著者:海野十三
だったという方がいいかも知れない。なぜなら、檻の中に収容せられていた武夫少年は、昔日のような可愛いものではなく、身長、実に三メートル余――というから、背丈が一丈....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
いで十八世紀、シナはふたたび北狄満州人の支配するところとなった。風俗習慣は変じて昔日の面影もなくなった。粉茶は全く忘れられている。明の一|訓詁学者は宋代典籍の一....
食魔」より 著者:岡本かの子
妙に心理洞察のカンしたりした。時には自分になまじい物質的な利得ばかりを与えながら昔日の尊敬を忘れ去り、学商呼ばわりする世情を、気狂いのようになって悲憤慷慨するこ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ないといってよい。明治の末期や大正時代における型ばかりの祭礼を見たのでは、とても昔日の壮観を想像することは出来ない。京の祇園会や大阪の天満祭りは今日どうなってい....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
見た美しい夢の一つである。 後年|囹圄の身となるに及び、私は獄窓の下で屡々この昔日の清夢を想い起した。幸に生命があって再び家に帰ることがあったならば、今度こそ....
地球要塞」より 著者:海野十三
ってみるがいいではないか」 「うむ」私は、しばらく黙考した。 とにかく私は今、昔日の黒馬博士とは似もつかないほど、自信を失っている。X大使の、この超人間な偉力....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
士、そう仰有らないで、是非にお願いいたします。今こそ孤島に小さくなっていますが、昔日の太陽を呼び戻すには、猛毒瓦斯を発明し、その力によってやるのでないと全く見込....
妖怪学」より 著者:井上円了
、今日学術の進むに従い、因果必然の理法なることを発見せるもの、幾種あるを知らず。昔日の妖怪にして今日の妖怪ならざるもの、その例はなはだ多し。これによりて将来を推....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
け十四年の月日を隔てているので、私たちの眼からみると、老優いよいよ頽老、まったく昔日の生気を欠くの感があったが、世間の人気はそれと反対で、稀代の名優が突然湧き出....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ことを促すものだった。けれども、マウントジョイは、すでに変心していた。彼はもはや昔日のチャアルス・ブラウントではなかった。彼は突如として自己の天職を発見した。い....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
政教子、その平常有するところの愛国の精神は、今度欧米を巡回して帰朝するに及び昔日に数倍し、その自ら設立するところの哲学館において、もっぱら国家の独立を維持す....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
しいこともあり、また漢口から帰国後、マラリヤにかかったなどの関係上、爾後の健康は昔日の如くでなく、且つ中年の中耳炎は根本的に健康を破壊し、殊に満州事変当時は大半....