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昔者
「昔者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昔者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んな植疱瘡《うえぼうそう》と云っていました。その癖が付いていて、わたくしのような
昔者《むかしもの》は今でも植疱瘡と云っていますよ。こんな事はあなた方がよく御存じ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
得を切った時には、小屋いっぱいの見物がわっと唸りました。取り分けてわたくしなぞは
昔者《むかしもの》ですから、ああいう芝居を見せられると、総身《そうみ》がぞくぞく....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ますね」と、わたしは云った。 「なに、感心するほどのことでも無い。わたくしなぞは
昔者ですから、ランプが流行《はや》っても、電灯が出来ても、なんだか人間の家に蝋燭....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思い思いであったが、半七老人は極月十三日と決めていると云った。 「わたくしなぞは
昔者《むかしもの》ですから、新暦になっても煤掃きは十三日、それが江戸以来の習わし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
御縁日で」 「正月二十一日……。成程きょうは初大師でしたね」 「わたくしのような
昔者は少ないかと思ったら、いや、どう致しまして……。昔よりも何層倍という人出で、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
なるべく大きな御通行は東海道を通るようにッて、奉行所へ嘆願した例もあるよ。おれは
昔者だから、参覲交代を保存したい方なんだが、しかし半蔵や寿平次の意見にも一理屈あ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
た花の上へは大砲をひき込む――殺風景なものでしたろうね。」 「まあ、おれのような
昔者にはなんとも言って見ようもない。」 その時、半蔵はふところにして行った覚え....
「家」より 著者:島崎藤村
にも読ませるようにしていますよ……ええええ、そりゃあもう今の若い者が私達のような
昔者の気では駄目です――そんなことを言ったって、三吉、これでも若い者には負けない....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、戦い半ばならずして斃れし英雄の生涯也。遂に蜉蝣の如き人生は、生きて甲斐なけん。
昔者プラトー、ソクラテスの口をして曰わしめて曰く、“It is not mere....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
いい、年々に名人の病衰して亡びゆくこと、時にとっての何ぼうの損失であるよう……。
昔者は霜白き旦、さては風冴ゆる夕べの火の見などに出て、温めねば鼓さえ凍るほどなを....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
云いそこない、漢語なぞを使おうとすると、時々変なことを云いますから、矢張天保時代
昔者でげすから、昔の言葉でなければいけません、殿様方もお戦に往って入らっしって命....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
ます。昔は私どもが農村のヤクザのように言われたものですが、今では、私どもが一番の
昔者でして、私どもは親きょうだい、いとこ、たいがい親類同志みたいなもので、それぞ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
てそれで遅れたんでございましょうね。それじゃお光さんにも読みづらかったでしょう、
昔者の私が書いたのですからねえ」 「いいえ、そんなことはありませんよ。私にはよく....
「食堂」より 著者:島崎藤村
七は言った。 「お母さんは――結局どういうことを言おうとするつもりなんですかね」
昔者のお三輪には、そう若い人達の話すように、思うことが思うようには言い廻せなかっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
士族気質から唯一の登龍門と信ずる官吏となるのを嫌って、碌でもない小説三昧に耽るは
昔者の両親の目から見れば苦々しくて黙っていられなかった。 尤も『浮雲』に由て一....