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「昔話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昔話の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
》に逆《さから》う道理でございますから、御免を蒙って、一通り多曖《たわい》もない昔話を申し上げると致しましょう。どうか御退屈でもしばらくの間、御耳を御借し下さい....
」より 著者:芥川竜之介
、青侍が云った。 「では、御免を蒙って、一つ御話し申しましょうか。また、いつもの昔話でございますが。」 こう前置きをして、陶器師《すえものつくり》の翁は、徐《....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
う。……若いものは無理もない。老寄どもも老寄どもなり、寺の和尚までけろりとして、昔話なら、桃太郎の宝を取って帰った方が結構でござる、と言う。癪に障った――勝手に....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
です。心得なければ不可ませんね。 幼い時聞いて、前後うろ覚えですが、私の故郷の昔話に、(椿ばけ――ばたり。)農家のひとり子で、生れて口をきくと、(椿ばけ――ば....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、祖父、祖母、なおその一族が、それか、あらぬか、あの雲、あの土の下に眠った事を、昔話のように聞いていた。 ――家は、もと川越の藩士である。御存じ……と申出るほ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の出端から、袖形に地の靡く、向うの末の、雑樹茂り、葎蔽い、ほとんど国を一重隔てた昔話の音せぬ滝のようなのを、猶予らわず潜る時から、お誓が先に立った。おもいのほか....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
っと聞かして下さい、後でまた昨日の続きのお話をして上げますから。」 この婦人、昔話の上手にて、稚きものにもよく分るよう、可哀なる、おかしき物語して聞かす。いつ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
十八 「綿で……重いことは膝が折れそう――もっともこの重いのは、あの昔話の、怪い者が負さると途中で挫げるほどに目貫がかかるっていう、そんなのじゃない....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
説明することを、この花はほんの一分間に話してくれました。それはじぶんの生いたちの昔話もしました。お日さまの光がやわらかな花びらをひらかせ、いい匂を立たせてくださ....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
腰の浜へ上って、北海の鮹と烏賊と蛤が、開帳まいりに、ここへ出て来たという、滑稽な昔話がある―― 人待石に憩んだ時、道中の慰みに、おのおの一芸を仕ろうと申合す。....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
姿を見ると、ちょっと二間ばかりの橋が、急にすらすらと長く伸びて、宇治か、瀬田か、昔話の長橋の真中にただ一人怪しい婦が、霞に彳んだようですから、気をはっきりと、欄....
三枚続」より 著者:泉鏡花
橋へあらわれりゃ、尋常の女でしょう、山の主が梅干になって、木樵に嘗められたという昔話がありますッてね、争われねえもんです。 全体ちゃきちゃきの深川ッ女が、根岸....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ぺんの煮込を御厄介になって、別に厚切な鮪を取っておかあ、船頭、馬士だ、お前とまた昔話でもはじめるから、」と目金に恥じず悄げたりけり。 作平が悦喜斜ならず、嬉涙....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
同の視線がこの一人の上に集まった。 もしそこへ出たのが、当り前の人間でなくて、昔話にあるような、異形の怪物であっても、この刹那にはそれを怪み訝るものはなかった....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
谷間に投げ込んでみせた。なんとも乱暴なことをしたもので、今でも故郷に帰るとこれが昔話にされる。私は知れると母にしかられるので黙っていたが、母はどこかで聞いたとみ....