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「昔語り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昔語りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
は、こういう場合、この酒飲みの、狡猾《こうかつ》な、卑しい老人の口から、こういう昔語りを聞こうとは夢にも思っていなかった。いや、むしろ、この老人に、人並みの感情....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
蛛庄屋《くもしょうや》にかどわかされて、その※《こしもと》になったいの。」 と昔語りに話して聞かせた所為《せい》であろう。ああ、薄曇りの空低く、見通しの町は浮....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
居《すまい》をめぐりて 輝き栄えし栄光も、 埋もれはてし遠き世の おぼろなる昔語りとなりにけり。 六 かくて今この渓谷を旅ゆく人々は 赤く輝く....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ドエライところを代表したのがこれ位のところで、紀文《きぶん》や奈良茂《ならも》の昔語りよりも大分落ちるようである。 この百万円の花火がタッタ一発上がった切りス....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、上等の茶を淹れて旨い菓子を食わせてくれた。 その茶話のあいだに、わたしは彼の昔語りをいろいろ聴いた。一冊の手帳は殆ど彼の探偵物語でうずめられてしまった。その....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
鶴子が持て来し白菊のやや狂わんとするをその前に手向け、午後には茶など点れて、幾の昔語りに耳傾けしが、今は幾も看護婦も罷りて、浪子はひとり写真の前に残れるなり。 ....
赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
ある。何かそれについて書けと言われる。今さらながら自分の老いを感ぜざるをえない。昔語りは気恥ずかしくもある。しかし、それも一興として、あるいは多少の参考として、....
死者の書」より 著者:折口信夫
たお方。池上の堤で命召されたあのお方の骸を、罪人に殯するは、災の元と、天若日子の昔語りに任せて、其まま此処にお搬びなされて、お埋けになったのが、此塚よ。 以前の....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
然るべく床几に腰を降ろした主従三|人は、それからそれへと際限もなく水入らずの昔語りに耽りましたが、何にしろ現世から幽界へかけての長い歳月の間に、積り積った話....
サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
きっておったんだ。更に熱狂児のアーントネリについては、彼もまた堅く口を緘して家の昔語りを他言する事なく、死刑に処せられるであろうと云う事を信じておった。そのため....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れば相当に享楽の道を心得て、知識も見聞もとうてい初代の及ぶところではありません。昔語りに親達の苦労のあとは聞くが、それかといって現在は現在で、衣食住は向上する。....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
語りつたえですじゃ。儂の夢ですじゃ…… 合唱 (静かに聞え始める) いつの世の昔語りや、…… いつの世の昔語りや、…… 竹取りの翁ありけり。 竹取りの翁ありけ....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
那俊雄さまとあにそれこうでもなかろうなれど機を見て投ずる商い上手俊雄は番頭丈八が昔語り頸筋元からじわと真に受けお前には大事の色がと言えばござりますともござります....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
を呼び、雑誌の口絵にヌードがなければ売れないという時代です。こんなことも遠い遠い昔語りとなりました。 海屋の幅 『古書通信』の二月号に出ていた閑人閑語の「....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
親の子を思ふ 相州の土屋といふ所に年九十に余れるくち法師あり、 おのづからきたり昔語りなどせしついでに、身の立居 に堪へずなん成りぬる事を泣く/\申し出でぬ。時....