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昔風
「昔風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昔風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
《きゅうかん》のような細い脚を、鼠の粗い縞のズボンに通している。縁《ふち》の広い
昔風の黒い中折れの下から、半白《はんぱく》の毛がはみ出している所を見ると、もうか....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
したランプの光を浴びて、妙に幽霊じみた姿を具えていた。が、彼は私と顔を合わすと、
昔風に両肱《りょうひじ》を高く張って恭《うやうや》しく頭《かしら》を下げながら、....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
の字町の「た」の字病院へ半之丞の体を売ったのは。しかし体を売ったと云っても、何も
昔風に一生奉公《いっしょうぼうこう》の約束をした訣《わけ》ではありません。ただ何....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
てた向うには、大病の母が横になっている。――そう云う意識がいつもよりも、一層この
昔風な老人の相手を苛立《いらだ》たしいものにさせるのだった。叔母はしばらく黙って....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
若い人です。おまけに同じ宿のM子さん親子とかなり懇意にしている人です。M子さんは
昔風に言えば、若衆顔《わかしゅがお》をしているとでも言うのでしょう。僕はM子さん....
「或る女」より 著者:有島武郎
子さんが悪いとおっしゃるなら、その上とやかく言いともないのですが、親佐さんは堅い
昔風な信仰を持った方《かた》ですから、田島さんの塾は前からきらいでね……よろしゅ....
「星座」より 著者:有島武郎
ことを柿江は覚《さと》った。そこには一丈もありそうな棒矢来《ぼうやらい》の塀と、
昔風に黒渋《くろしぶ》で塗《ぬ》られた火の見|櫓《やぐら》があった。柿江はまた思....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
す」 「……あたしは性格破産者なのです。兄の家にいましたが、兄は馬鹿正直なくらい
昔風な一徹な性質で、新しい生活様式に憧れる妹とは何ごとにつけても合うはずがありま....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
が目的は早く叶うよ。それとも僕、本当にシンチャンに言ってやろうか。豊ちゃんが実は
昔風のなんとか煩いをしていますが、先生の御意見はいかがでしょうッてね。だけど僕の....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
そのような馬鹿なことがと嗤うかもしれないが、B子夫人も普通の婦女とおなじく、この
昔風な狂言暴行を疑いもせで、泪を流して僕に感謝したばかりか、記念のためというので....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
千五百|呎の馬の背の尾根伝いに山地を買収して、近代的な明るい自動車道を切り開き、
昔風に言えば関銭を取って自動車旅行者に明快雄大な風景を満喫させようという趣向だっ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
い家じゃが名代で。前には大きな女郎屋じゃったのが、旅籠屋になったがな、部屋々々も
昔風そのままな家じゃに、奥座敷の欄干の外が、海と一所の、大い揖斐の川口じゃ。白帆....
「明日」より 著者:井上紅梅
手前は、手前は、……また何か想い出してやがる……」 片田舎の魯鎮はまだなかなか
昔風で、どこでも大概七時前に門を閉めて寝るのだが、夜の夜中に睡らぬ家が二軒あった....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
女は着ているものを見ればわかるように、いささか仇っぽいところもあった。彼女の服は
昔風なところに最新流行をまじえたもので、それがまことに彼女の魅力をしたたるばかり....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
不明になり、彼の生死も分らないままで十数年過ぎてしまいました。当時皆様方の間では
昔風に神かくしだろうとか、人浚いの手に渡って奴隷にでもなっているだろうとか、種々....