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星宿
「星宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
星宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薤露行」より 著者:夏目漱石
胸も革《かわ》に裹《つつ》みて飾れる鋲《びょう》の数は篩《ふる》い落せし秋の夜の
星宿《せいしゅく》を一度に集めたるが如き心地である。女は息を凝らして眼を据《す》....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
を出そうかなと思う矢先へもって来て、急に黒い斑点《はんてん》が、晴夜《せいや》の
星宿《せいしゅく》のごとく、縦横に行列するんだから、少し辟易《へきえき》してしま....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
を教えたことになっている。太陽や遊星が十二宮の獣帯に各一〇日ずつに配された三六の
星宿の間を縫うて運行する経路が図表中に記入され、そういうものが最も古い時代から太....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。そして、その両端が、先刻前庭から見た、十二宮の円華窓だった。おまけに、黄道上の
星宿が描かれている、絵齣の一つ一つが、本板から巧妙な構造で遊離しているので、その....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ちどの民も、最《いと》古く蛇を霊怪至極のものとし、したがって雲雨暴風竜巻や、ある
星宿までも、蛇や竜とするに及んだと言わねばならぬ。『エンサイクロペジア・ブリタン....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
牧人《ガウチョス》そのままだったらしく、紀元前四世紀、既にこれに象《かたど》った
星宿|殺牛星《ケンタウロス》の名書き留めあれば、かかる誤解はよほど以前に生じいた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、亥は猪、すなわち豕に当るからかく名づけた。しかるに今は戌宮に居る、かく一宮ずつ
星宿の位置が後《おく》れて来たのを勘定すると、周時代に正しく
星宿の位置に拠って十....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
した。 それが動機になって子供は空のよくはれた晩には時々星座図を出して目立った
星宿を見較べていた。その頃はまだ織女や牽牛は宵のうちにはかなりに東にあった。西の....
「物理学の要用」より 著者:福沢諭吉
の真理原則を求むるの鍵を放擲したるの罪なり。天文をうかがって吉兆を卜《ぼく》し、
星宿の変をみて禍福を憂喜し、竜といい、麒麟《きりん》といい、鳳鳥《ほうちょう》、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
船員の妖怪行列ありて、一大喝采を博せり。海上は無月暗黒、ただ中天に点々、四、五の
星宿を認むるのみ。 自。 (日本を旅立ってからまだ三十日にもならず、船は異域に入....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
花もこれというはなき小庭のただものさびて、有楽形の燈籠に松の落葉の散りかかり、方
星宿の手水鉢に苔の蒸せるが見る眼の塵をも洗うばかりなり。 上人庭下駄脱ぎすてて....