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星屑
「星屑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
星屑の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
が、所斑《ところはだら》な天の川と一つでいるのを眺めますと、どうやら数え切れない
星屑が、洛中の天を傾けて、一尺ずつ一寸ずつ、辷る音まではっきりと聞きとれそうに思....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
てみたい。
夜更けて谷中《やなか》の墓地の方へ散歩をする。
きらめくばかりの
星屑の光。なんの目的で歩いているのかはわからないけれども、それでも私は歩く。按摩....
「ようか月の晩」より 著者:宮本百合子
ら左へ薄白く夢のような天の河が流れています。光った藁のような金星銀星その他無数の
星屑が緑や青に閃きあっている中程に、山の峰や深い谿の有様を唐草模様のように彫り出....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
諏訪《すわ》栄三郎、腰の武蔵太郎安国《むさしたろうやすくに》に大反りを打たせて、
星屑をうかべた池のほとりにたった。
夜露が足をぬらす。
栄三郎は裾を引き上げ....
「地水火風空」より 著者:豊島与志雄
、辰野工学博士の傑作の一つとされてる工科大学の建物が、中世紀風のシャトーの姿を、
星屑の淡い夜空に、くっきり聳やかしている。全体が優雅に模糊として、頂のクレノーが....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
客がその顔を空へ仰向ける。顔の輪廓が暫くのあいだくっきりと照らし出される。天上の
星屑の外に、人工の星が閃光を放って散乱し爆発する。それを見るために集った人々であ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
姿見の井戸というのはいったいどこなんでしょうか?」 が、里好はそれには答えず、
星屑のこぼれるような空を仰いで、ただ坂を上る足を早めた。 お蔦は軽い不安にとら....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
す潮騒が黒ぐろと鳴り渡って、遠くに松平肥後守様のお陣屋の灯が、漁火《いさりび》と
星屑とのさかいに明滅《めいめつ》しているばかり。女身を呑んだ夜の海はけろり茫漠《....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
て、晴夜《はれ》とともに一入《ひとしお》の寒気、降るようにとまでは往かなくとも、
星屑が銀砂子を撒き散らしたよう、蒼白い光が漂ってはいるが地上へは届かないから、中....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
の人となるようです。時々は愛の強い衝動を感じます。この間も窓によって空にきらめく
星屑と満潮した川面のふくらみと岸べの静かな森とを眺めた時、私は調和と愛との深い感....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
づいてもう一本、咽喉もとにうちこまれた犬釘で、すっかりおとなしくなってしまった。
星屑ひとつ見えない暗い夜で、どこも深い闇だけであった。八坂の山中に光といえばこの....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
心地がするのだった。 「そうだった……。なぜ思いつかずにいたのだろう」 ぼやと
星屑の空しか彼女には見えていない。 夜気の墨に吹かれさまよう姿は、ふと何かを、....