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映ろう
「映ろう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
映ろうの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
からは、門をうろ抜けの見透一筋、お宮様でないのがまだしも、鏡があると、歴然ともう
映ろう。 「御迷惑?」 と察したように低声で言ったのが、なお色めいたが、ちっと....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
る物体の造型を試みようとするのですよ。ねえ田郷さん、勿論僕の眼に、その人物の姿が
映ろう道理はありません。しかも、物音も聴かなければ、その一人に関する些細な寸語さ....
「道標」より 著者:宮本百合子
な羊飼い娘だということや、その服が木綿だということが、多計代の感情にこういう風に
映ろうとは思いもよらなかった。伸子はすぐその人形をボール箱にしまって、百貨店へも....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
射るのは、明鏡《めいきょう》のように磨《と》ぎすました刀に、うす暗い燭台の灯が、
映ろうのらしい。
そして、源三郎が柄《つか》の握りかげんをなおすたびに、天井か....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
然に思い付く道理もない。知っていればこそ心の迷いも起れ、知らぬ者の眼に怪しい影の
映ろう筈がなく、ましてその小児がお住の名を知って居ろう筈がない、シテ見れば正しく....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
れるせいか褐色に錆びついているのだ。 しかし、そういった細景が、肉の眼にてんで
映ろう道理はないのであるが、またそうかといって闇を見つめていても、妙に夜という漆....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
相違して、その玻璃房は、二重屈折の三稜鏡だった。 したがって逢痴の姿が、二重に
映ろう道理とてはないのである。 こうして、否定と肯定とが背中合せして、紛乱の渦....