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映出
「映出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
映出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
械の映画には実物を見るとはまたちがった深い味がある。見なれた平凡な器械でも適当に
映出されるとそれが別な存在として現われ、実物では見のがしている内容が目に飛び込ん....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
した蚊帳を釣って、行燈がある、それで。――夜目には縁も欄干も物色われず、ただその
映出した処だけは、たとえば行燈の枠の剥げたのが、朱塗であろう……と思われるほど定....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
なところにあるようである。 クローズアップのガルボの顔のいろいろの表情を交互に
映出するしかたなどでもかなりうまい。 言わばそこにほんとうの「表情の俳諧」があ....
「からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
して、それらの爆撃機自身に固定されたカメラから撮影された四辺の目まぐるしい光景が
映出されるのである。この映画によってわれわれの祖先が数万年の間うらやみつづけにう....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
て倒れ、そのために大破壊が起こったりする。あの魯鈍な機械に比べて「ベルリーン」に
映出される本物の機械の美しさは、実に見ていて胸がすくようである。同じ意味でソビエ....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
まず群集を現わし、次にカメラを近づけてその中のヒーローを抽出し、クローズアップに
映出して「紹介」する。連句でもたとえば、「入りごみに諏訪の涌湯の夕まぐれ」「中に....
「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」より 著者:寺田寅彦
パリの騒音を暗示する音楽が大波のようにわき上がり、スクリーンにはパリの町の全景が
映出される。ここの気分の急角度の転換もよくできている。 モーリスがシャトーの玄....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
るのに気がつく。たとえば兵営の浴室と隣の休憩室との間におけるカメラの往復によって
映出される三人の士官の罪のない仲のいいいさかいなどでも、話の筋にはたいした直接の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、混濁の巷に面した、その中へ、小春の陽炎とともに、貸本屋の店頭へ、こうした娘姿を
映出すのは――何とか区、何とか町、何とか様ア――と、大入の劇場から女の声の拡声器....
「曼珠沙華」より 著者:斎藤茂吉
いう点が私にはいかにも愛らしい。勿体ぶりの完成でなくて、不得要領のうちに強い色を
映出しているのは、寧ろ異国的であると謂うことも出来る。秋の彼岸に近づくと、日の光....
「夏」より 著者:寺田寅彦
「熱波」の記憶にはこのデヴィルド・クラブとあのニグロの顔とが必ずクローズアップに
映出されるのである。用事をすませてバルチモーアに立つという日に、急に「熱波」が退....
「耳と目」より 著者:寺田寅彦
ば、画中の人物が蒲団を引っかぶる。スクリーンにこの光の舞踊を思わせるものが適当に
映出される。そうして枕もとの時計のチクタクだけが高く響く、あるいは枕に押しつけた....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
引掴んで双方腰を曲げ、半時間の久しきに渡って、錢府の白壁の上に一組の藍色の虹形を
映出した。 「いいよ。いいよ」見ていた人達はおおかた仲裁する積りで言ったのであろ....
「烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
して、それらの爆撃機自身に固定されたカメラから撮影された四辺の目まぐるしい光景が
映出されるのである。この映画によって吾々の祖先が数万年の間羨みつづけに羨んで来た....
「動く絵と新しき夢幻」より 著者:小川未明
くのではなくて、そこに自分が外界から受け得た刺戟とか、胸の中の苦悶とかを象徴的に
映出するのである。それには無論強烈な色彩を以てしなければならないと思う。 丁度....