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春の心
「春の心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春の心の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「喝采」より 著者:太宰治
安易の夢、無智の快楽、十年まえ、太陽の国、果樹の園をあこがれ求めて船出した十九の
春の心にかえり、あたたかき真昼、さくらの花の吹雪を求め、泥の海、蝙蝠の巣、船橋と....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
田楽の置店からは、名古屋味噌の香しい匂いがした。 「景気は可いな。実に陽気だ」宗
春の心も浮き立って来た。ぴらり帽子で顔を包み、無紋の衣裳を着ているので、誰も藩主....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
見ようときめた。 三 Vin blanc ちびりちびり 歌よみたわむる 春の日
春の心 春の心、と言っても、春情じゃない。牢やの中では、いつも僕は聖者のよう....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て二つの意味を持っている。一は自分の青春の記念碑としてであり、二は後れて来たる青
春の心たちへの贈り物としてである。自分は今自分の青年期を終わらんとしつつある。し....
「追想」より 著者:宮本百合子
のであったかも知れない。 然し。―― ちょうど、私共が五年の時であった。或る
春の心持の晴々とする朝、始業の鐘が鳴り、我々は、二階の教室に行こうとしていた。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
春や鳥啼き魚の目はなみだ」と書いてみたかった心持、時は、秋であるのに、往《ゆ》く
春の心が抑えきれなかったのと、同じ衝動でありましょう。 そうしてまた、北上川な....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
愛だった。アーダはなかなかクリストフほど初心《うぶ》ではなかったとは言え、まだ青
春の心と身体とのりっぱな特権をもっていた。その感覚の清新さは、小川のように清澄|....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の羽音のうちに潜み込んでいた。アントアネットは四月の鶯《うぐいす》の声のように青
春の心を満たしてゆく陶然たる希望の歓《よろこ》ばしい歌声に耳を傾けていた。自分の....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
しまって、柔らかな新緑の心地よく、眼にしむように感ぜられるまでの、あの悩ましい晩
春の心地のなかに通学したり、読書したりして暮らしていらっしゃるのでしょう。あなた....
「リラの手紙」より 著者:豊田三郎
うに行くのだといって金を借りて別れていった三ツ木の言葉を思い出していた。それは青
春の心臓の妖しい潮騒だった。久能はもう久しい事その響をきいていたが、堰を破る程に....