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春夜
「春夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
だ》の雲華《うんげ》を空裏《くうり》に※《ささ》げている。※寥《けつりょう》たる
春夜《しゅんや》の真中《まなか》に、和尚ははたと掌《たなごころ》を拍《う》つ。声....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
夜は、ひどく彼の気持はときめいている。こんな寒い晩、それも夜更けなのに、まるで、
春夜の暖熱に包まれているかのような、うきうきしさを覚えている。
なぜだろうと、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
き、以て竜種を求め、効なくしてやむ〉。五九巻に、〈陝西《せんせい》竜泉、相伝う毎
春夜牝馬を放ち、この泉水を飲ましめ自ずから能く懐孕《かいよう》す、駒生まれて毛な....
「日記」より 著者:宮本百合子
店を見た。梨西瓜、ゆであずき、リンゴ等往来に並んで居る。 英国大使館前の、この
春夜桜を見たところの片隅に死骸収容所が出来て居た有様忘られず。俥、殆ど通らず。自....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
いうのである。裏町によく見る風物で、何の奇もない市中風景の一角だが、そこを捉えて
春夜の生ぬるく霞《かす》んだ空気を、市中の空一体に感触させる技巧は、さすがに妙手....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。うたたねの夢とうつつが揺れ交る寝覚め、風に吹かれて袖のあたりになびく花の香は、
春夜の夢の尾を引いて、またしてもありし昔の人の姿を描かせる。早くも花は散り時であ....
「しゃりこうべ」より 著者:室生犀星
ようで、とうていその顔付から遁げ出すことのできない宿命じみた蒼白い顔付――それが
春夜にもなお電燈の下に座っている――。 晩になると一軒の家にきっとこんな姿が決....