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春日
「春日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
堀川の御屋形のものを仇《かたき》のように憎みまして、その時も梨の花に、うらうらと
春日《はるび》が※《にお》っている築地《ついじ》の上から白髪頭《しらがあたま》を....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
るのを見た。そうして私もなんとなくさびしくなった。
時雨《しぐれ》もよいの夕に
春日の森で若い二人の巫女にあったことがある。二人とも十二、三でやはり緋の袴に白い....
「竜」より 著者:芥川竜之介
ったのでございます。するとここにまた思いもよらない不思議が起ったと申しますのは、
春日《かすが》の御社《おやしろ》に仕えて居りますある禰宜《ねぎ》の一人娘で、とっ....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
じい山嘯の洪水があって、いつも敦賀――其処から汽車が通じていた――へ行く順路の、
春日野峠を越えて、大良、大日枝、山岨を断崕の海に沿う新道は、崖くずれのために、全....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ない。 が、持主でない。その革鞄である。 三 這奴、窓硝子の小
春日の日向にしろじろと、光沢を漾わして、怪しく光って、ト構えた体が、何事をか企謀....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ょうど狼の温泉へ入込みます途中でな。……晩に雪が来ようなどとは思いも着かねえ、小
春日和といった、ぽかぽかした好い天気。…… もっとも、甲州から木曾街道、信州路....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
鳥居を潜るよと見た、見る目も彩な、お珊の姿が、それまでは、よわよわと気病の床を小
春日和に、庭下駄がけで、我が別荘の背戸へ出たよう、扱帯で褄取らぬばかりに、日の本....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
。勿論誰も手を触れず、いつ研いだ事もないのに、切味の鋭さは、月の影に翔込む梟、小
春日になく山鳩は構いない。いたずらものの野鼠は真二つになって落ち、ぬたくる蛇は寸....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
薄いが、桃色の手柄の丸髷で、何だか、はれぼったい、瞼をほんのりと、ほかほかする小
春日の日当りに表を張って、客欲しそうに坐っているから。…… 羽織も、着ものも、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。美しき妾、富みたる寡婦、おとなしき女の童など、夢おだやかに日を送りぬ。 日は
春日山の巓よりのぼりて粟ヶ崎の沖に入る。海は西の方に路程一里半隔りたり。山は近く....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
え感じたことがある。愛すべき三汀、今は蜜月の旅に上りて東京にあらず。………… 小
春日や小島眺むる頬寄せて 三汀....
「初雪」より 著者:秋田滋
と晴れ亙った、暖かい日だった。冬とは思われない陽ざしの降り濺ぐ、なまあたたかい小
春日和である。輪を囘して遊んでいる子供を連れたり、男と何やら語らいながら、足どり....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
葉も払わず、苔は萍のようであった。 ふと、生垣を覗いた明い綺麗な色がある。外の
春日が、麗かに垣の破目へ映って、娘が覗くように、千代紙で招くのは、菜の花に交る紫....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
へ乗っけて見ましたの。そうすると、それがいい工合に。」 ああ、そうか、鶏頭か。
春日燈籠をつつんで、薄の穂が白く燈に映る。その奥の暗い葉蔭に、何やら笠を被った黒....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
とする傾向の画風と手法が発達しつつあり」と云い、立秋奈良風景を描いては猿沢池から
春日へ爪先あがりのかんかん照りの坂道を「丁度張物板を西日に向って立てかけてあるの....