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「春日の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

春日のの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日光小品」より 著者:芥川竜之介
るのを見た。そうして私もなんとなくさびしくなった。 時雨《しぐれ》もよいの夕に春日の森で若い二人の巫女にあったことがある。二人とも十二、三でやはり緋の袴に白い....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
歌などよりは、はるかにうまい。 また兵学に精通し、敬神家で、槍は一代に冠絶し、春日の名槍を自在に繰り、剣をよくして、備前|長船小豆長光二尺四寸五分の大刀を打ち....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
津の槍隊が奮戦して、敵の隊長石川|厚狭介などを斃したが、淀城の城主稲葉家は、例の春日の局の血縁で、幕府には恩顧深き家柄であるに拘らず、朝廷に帰順の意を表して、幕....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
挨拶をして立つと、そこへ茶を運んで来たのが、いま思うとこの女中らしい。 実は小春日の明い街道から、衝と入ったのでは、人顔も容子も何も分らない。縁を広く、張出し....
古狢」より 著者:泉鏡花
見える。見ると、やや立離れた――一段高く台を蹈んで立った――糶売の親仁は、この小春日の真中に、しかも夕月を肩に掛けた銅像に似ていた。 「あの煙突が邪魔だな。」 ....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ない。 が、持主でない。その革鞄である。 三 這奴、窓硝子の小春日の日向にしろじろと、光沢を漾わして、怪しく光って、ト構えた体が、何事をか企謀....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
薄いが、桃色の手柄の丸髷で、何だか、はれぼったい、瞼をほんのりと、ほかほかする小春日の日当りに表を張って、客欲しそうに坐っているから。…… 羽織も、着ものも、....
死者の書」より 著者:折口信夫
もせぬ、郎女のことである。順道ならば、今頃は既に、藤原の氏神河内の枚岡の御神か、春日の御社に、巫女の君として仕えているはずである。家に居ては、男を寄せず、耳に男....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
文字が、直ちにその語を表わす文字として使用せらるる例がある。「飛ぶ鳥のアスカ」「春日のカスガ」などがそれで、枕言葉をそのままに「春日」と書いてカスガと読み、「飛....
インチキ鮎」より 著者:北大路魯山人
えからやっていたことであるらしい。ところが、このあゆが非常に評判になった。一時は春日のあゆを食わなければ、あゆを語るに足りないくらいの剣幕であった。しかも、会席....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
毎日船の格子窓に身を寄せてみれば、このましくみる南米の山のおもむきは雄大である。春日の安天の峰の頂は雪をのせ、あけがたの空に摩世海峡の風が吹く。勝景を探求して吟....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
かへり春はきにけりささ波や氷吹きとく志賀の浦風 為家 かげろふのもゆる春日の浅緑かすめる空も雪は降りつつ 為氏 帰るさの道もやまよふ夕暮のかす....
古事記」より 著者:太安万侶
タラシ彦クニオシビトの命は天下をお治めなさいました。兄のアメオシタラシ彦の命は・春日の臣・大宅《おおやけ》の臣・粟田の臣・小野の臣・柿本の臣・壹比韋《いちひい》....
六日月」より 著者:岩本素白
朝早く一乗寺村を歩いて、それから秋晴の八瀬大原、帰りに鞍馬へ登って山端の駅まで戻って来ると、折から小春日の夕日を受けた叡山が、ぽか/\と如何にも暖かそうな色をして居るので、つい誘わ....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
あっては、決して「漫りに」ではなく、正当の職務の執行であったであろう。彼らはまた春日の神人の仲間として、交番に出役していた。京の唱門師たる犬神人は甲冑を帯して御....