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春期
「春期〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春期の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
音が、騒々しい車輪の音に単調な響を交している。
本間さんは、一週間ばかり前から
春期休暇を利用して、維新前後の史料を研究かたがた、独りで京都へ遊びに来た。が、来....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
動速度が遅いし、春の雪崩とは比較にならないほど小さなものである。だいたいにおいて
春期の雪崩と同じような条件で起るが、最初の雪質が粉雪とザラメ雪というようにかなり....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
は、甲斐の自然が、またこれを備えている。今は甲斐の自然が、人文の上に輝き始める回
春期である、甲斐の文芸復興は、恐らくその洪大なる自然の上に打ち建てられるであろう....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
は偉大にして、善き人間なりき」と書かれるようにありたいものである。自分如きも、青
春期、いのちの目ざめのときの発足は「善い人間」になりたいということであった。「最....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
まのことだけは、永遠に残るにちがいない……。そうして、末起は病む薔薇のように、思
春期を暗い心で漂っていた。 ところが、それから四、五ヶ月経ったころふと、祖母の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
しい惨劇を生んだのでしょう。 貴女が艇長を思慕する声は、同様に朝枝も唆って、思
春期の憧れを、艇長に向けていたのですがいよいよあの手紙を見るに及んで、はしなく心....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
」とか、「君を思って星を数え、玉藻の寄る浜べで泣いた」 とかいうような、少年の
春期の詩情のあふれたものだった。私はその空気に感染してしまった。 休暇が終って....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
めた。手が触れ合った。 「あっ」 栞の声が情熱をもって響いた。 「ああ」 思
春期の処女というものは、男性のわずかな行動によって、衝動を受けるものであり、そう....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
しい男性的な声調に聞き惚れているのだ。だが、兄の語る言葉は、淋しくうら悲しい、思
春期のなやみに哲学的な懐疑も交っているのだ。 ――国木田独歩は「驚き度い」と言い....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
。彼女は見つめて三昧に入り、ぶるぶると身ぶるいさえすることがあった。私はこれを思
春期の変態の現われじゃないかと嫌な気がしたが、そうではないらしかった。健康なもの....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
」一等褒状 同年 全国絵画共進会「美人観月」一等褒状 同 二十五年 京都
春期絵画展覧会「美人納涼」一等褒状 同年 米国シカゴ博出品(農商務省下命....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
、むしろ、一日も早く初孫の顔が見たさに、喜んで同意し、話が迅速に運ばれて、良雄が
春期休暇に帰るをまって嫁を迎えることに決定してしまったのである。 良雄は帰省し....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
学し、そこで一五八一年十四歳のとき、マスタア・オブ・アーツの学位を与えられた。青
春期は田園で送り、遠い西方の荘園をあちらこちら移り住んだものだった――ペンブルッ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ガタパラはインデアン語にて鹿を義とすといえるを聞き、余はこれを鹿原と名づく。目下
春期にして、暖靄朦々たり。夕陽は霞中に入りて深紅色を呈す。夜に入り、支配人の宅を....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
はずれて大きかった。私は二十五歳であり、時代はちょうど日露戦争直後。資本主義の青
春期を迎えた日本の目はようやく大陸へと開け始めたころであった。一定の職のない者、....