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「春眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

春眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らぶき茶づけをゆっくりとって活を入れてから、駕籠の揺れるにまかせてうつらうつらと春眠の快をほしいままにむさぼりながら、菜の花、げんげ、咲き乱れるのどかな春の日中....
少女病」より 著者:田山花袋
くからその姿を見知って、もうあの人が通ったから、あなたお役所が遅くなりますなどと春眠いぎたなき主人を揺り起こす軍人の細君もあるくらいだ。 この男の姿のこの田畝....
巌流島」より 著者:直木三十五
日 佐渡守様 三 四月十三日、眠りの楽しい時である。春眠|暁《あかつき》を覚えず、所々に啼鳥を聞く――朝寝をするに一番いい時。七時す....
丹下左膳」より 著者:林不忘
隊を引きつれて寝とまりしている高大之進――イヤ、驚きました。 驚いたわけです。春眠|暁《あかつき》を覚えず……夢うつつの境で、ウトウトとしていた横っ腹を、イヤ....
獏鸚」より 著者:海野十三
しに小石川のアパートへ行った。 彼の仕事の性質から云って、正に白河夜船か或いは春眠暁を覚えずぐらいのところだろうと思っていったが、ドアを叩くが早いか、彼が兎の....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
に後髪を引かれ、とうとうそのまま家探しをあきらめて帰ってしまったことさえあった。春眠暁を覚えずとか何んとかいう言葉があるが、全く春の朝寝のぬくぬくとした寝床の温....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
であるが、どちらかというと疲れ易く、しかも眠い事と云ったら! それはそれは眠くて春眠暁を覚えずという文句を、実に身を以て経験中です。バカらしく眠いが、これは何か....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
顔面のみを極力描き出している。 笑みとけて寒紅つきし前歯かな 久女 鬢かくや春眠さめし眉重く 同 寒紅の句は女性の美しい笑というものを取扱ったもので、....
三国志」より 著者:吉川英治
いい、後宮の女官といい、気に入らぬ者は立ちどころに殺し、夜は天子の床に横たわって春眠をむさぼった。 或る日。 彼は陽城を出て、四頭立ての驢車に美人を大勢のせ....
三国志」より 著者:吉川英治
黄河の支流は、ひろい野に、小さい湖や大きな湖を、無数に縫いつないでいる。ふかい春眠の霞をぬいで、山も水も鮮やかに明け放れてはいるが、夜来の殲滅戦は、まだ河むこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
けていたものにちがいない。 「弁ノ殿。……はやお目ざめにござりまするか」 朝。春眠暁ヲ覚エズ――というほどな今なのに、俊基の寝所では、小鳥と共に、はや、かすか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
物音までも朧にしていて、世間の耳目をそらすにはまたとないような桜月夜の――また“春眠暁ヲ知ラズ”の時刻だった。 正装した長年が、 「異存ないな」 と、一同へ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ふるえ、彼女に与えられるたましいとは彼女を窒息させるほどなものだった。 今朝。春眠、暁ヲ覚エズ――の春の朝でもあるが、義貞はすかっとした上機嫌で、近侍にたいす....