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春色
「春色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ある(意気地)、色っぽさ(媚態)」ということができないであろうか。
{1}『
春色辰巳園《しゅんしょくたつみのその》』巻之七に「さぞ意気な年増《としま》になる....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
の具皿にあつめて、ただ一刷《ひとはけ》に抹《なす》り付けた、瀲※《れんえん》たる
春色が、十里のほかに糢糊《もこ》と棚引《たなび》いている。 「なるほど」と甲野さ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
は出来る。しかし画工にはなれない。こうやって、名も知らぬ山里へ来て、暮れんとする
春色《しゅんしょく》のなかに五尺の痩躯《そうく》を埋《うず》めつくして、始めて、....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
暖かくしながら、障子をもう一枚開け拡げて、月の出に色も潤みだしたらしい不忍の夜の
春色でわたくしの傷心を引立たせようとした逸作も遂に匙を投げたかのように言った。 ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
っ子らしい討死ですね。 河原崎権十郎は後に日本一の名優市川団十郎になりました。
春色梅ごよみ 一 思い出すと、そのころの大久保辺はひどく寂しかっ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
伝」などでやや「人情」がかった読み物への入門をした。親戚の家にあった為永春水の「
春色梅暦春告鳥」という危険な書物の一部を、禁断の木の実のごとく人知れず味わったこ....
「虚子君へ」より 著者:夏目漱石
その意味からいうと、美々しい女や華奢《きゃしゃ》な男が、天地神明を忘れて、当面の
春色に酔って、優越な都会人種をもって任ずる様や、あるいは天下をわがもの顔に得意に....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
に一寸《ちょっと》吹聴《ふいちょう》して置かなきゃならん事がある。私は是より先|
春色梅暦《しゅんしょくうめごよみ》という書物を読んだ。一体小説が好きで、国に居る....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
してぬけおちたようで、なにかたよりない、しっくりと気持ちのあわない空気を感じる。
春色は日ましにこくなるに、一同は毎日うつうつとして楽しむふうもない。富士男はこれ....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
秋夕」という鴫立沢の西行の絵、芭蕉に連翹などあしらわれた処に鼬の走っている「廃園
春色」、樹蔭に大きな牛が寝て居る「緑蔭放牧」、その牛と牧童の部分を私は写さして貰....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
ばならなかったのだが、余は遂に何ものをも書かなかったように思う。その後ち百花園の
春色を描いた文章を居士に見てもらったら居士は絶望したように、 「こりゃ文章になっ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
目「赤松満祐梅白旗」、中幕「勧進帳」、二番目「人間万事金世中」で、大切には「魁花
春色音黄鳥」という清元常磐津掛合いの浄瑠璃が附いていた。この浄瑠璃はわたしは見な....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
るものならず。もし芳年を団十郎に比せんか芳幾は正に五世菊五郎なるべし。余は芳幾の
春色三十六会席《しゅんしょくさんじゅうろくかいせき》その他において、明治年間に残....
「西航日録」より 著者:井上円了
、午後の急車にてロンドンに着す。途上所見、左のごとし。 烟青草煖牧田平、満目已看
春色生、威海蘇山雲忽鎖、鉄車衝雨入英京。 (けぶるような青草も暖かに、牧場も畑も....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
別杯を具せらる。夜に入りて帰船す。 七日、晴れ。午後五時解纜す。崎陽三十六湾、
春色を装ってわが行を送る。たちまちにして暮雲雨をはらし、鎮西の諸山煙裏に埋没し、....