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春草
「春草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
らくすると水上がまばゆく煌《かがや》いてきて、両側の林、堤上の桜、あたかも雨後の
春草のように鮮かに緑の光を放ってくる。橋の下では何ともいいようのない優しい水音が....
「蓮香」より 著者:田中貢太郎
「今日は、蓮香姉さんにおまいりをする日ですよ」 そこで三人で蓮香の墓へ往った。
春草が離々と生えて、墓標に植えた木がもう一抱えになっていた。女はそれを見て吐息し....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
顔を見ることができたので、ちょうど、長い間|冬威にうら枯れていた灰色の草原に緑の
春草が芽ぐんだように一点の潤いが私の胸に蘇ってきた。病後の血色こそ好くないが、腫....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
いことこの上なし、世は已に醒めたりとすましていられる人は兎も角、こちとらには池塘
春草の夢、梧の葉の秋風にちるを聞くまでは寧ろ醒めずにいつまでもいつまでも酔ってい....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
た日本画の展覧会を眺めることがあるが、その描かれている世界は何かといえば、春信や
春草がその頃を描いた如く、この現在の風景を描いているものはあまりない。主としてそ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
寧ろ実際的でそこに強みがあるのである。 ○ 振分の髪を短み
春草を髪に綰くらむ妹をしぞおもふ 〔巻十一・二五四〇〕 作者不詳 振分髪という....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
瞬間に変じ、河幅急に広まりぬ。底は一面の白砂に水紋落ちて綾をなし、両岸は緑野低く
春草煙り、森林遠くこれを囲みたり。岸に一人の美わしき少女たたずみてこなたをながむ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
りずつとお高いだれとかの絵を最近お求めになつたそうじやございませんか」 「はあ、
春草ですか? そんなおしやべりをしたかなあ、ワハヽヽヽヽ」 池内氏は機げんよく....
「回想録」より 著者:高村光太郎
と思う。又学科では彫刻の生徒も日本画等をやった。私等も粉本などを稽古した。大観、
春草等の人がいろいろなものを描いた時代を見て覚えている。 ところが正木さんが校....
「美術学校時代」より 著者:高村光太郎
も学校にかえった。岡倉先生はまもなく日本美術院を拵らえ、下村観山、横山大観や菱田
春草等と共に大きな日本画の改革をやり出した。岡倉先生の着想によるロマンチックの仕....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
日の人の定型であるらしい。すべて曇天の情調をもって律しようとしているようである。
春草氏の「落葉」がその一面を代表している。黒田清輝氏の如きも、自らは、力めて日本....
「作画について」より 著者:上村松園
(授賞席順) 金牌 大原の露 下村観山 銀牌 雪中放鶴 菱田
春草 木蘭 横山大観 花ざかり 上村松園 ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
す」 千|吉は二つ返事で頷いた。 二 徳太郎と千|吉とが、不忍池畔の
春草亭に駕籠を停めたのは、それから間もない後だった。 徳太郎は女中の案内も待た....
「西航日録」より 著者:井上円了
よりもひろく、あたかも陸上における太平洋のようであった。) 万里長途一物無、唯看
春草満平蕪、車窓認得人烟密、汽笛声中入露都。 (万里をゆく道は一物として見えず、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
余を隔つるチグレ町に至る。小市街なり。その途上は濁流の渺々たるラプラタ川を望み、
春草の※々たる農園牧場を見るは、大いに客懐を散ずるに足る。ラプラタ川はスペイン語....