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春草の
「春草の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春草のの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
らくすると水上がまばゆく煌《かがや》いてきて、両側の林、堤上の桜、あたかも雨後の
春草のように鮮かに緑の光を放ってくる。橋の下では何ともいいようのない優しい水音が....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
、卿も知っとるが、武男さんの事だがの――」 むなしき槽櫪の間に不平臥したる馬の
春草の香しきを聞けるごとく、お豊はふっと頭をもたげて両耳を引っ立てつ。 「卿が写....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
いことこの上なし、世は已に醒めたりとすましていられる人は兎も角、こちとらには池塘
春草の夢、梧の葉の秋風にちるを聞くまでは寧ろ醒めずにいつまでもいつまでも酔ってい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しめしけむ すめろぎの 神のみことの 大宮はここと聞けども 大殿はここといへども
春草の…… と咽喉《のど》が裂けるほどの声で歌い出しました。これは創作でもなけ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
川といううちは政治に手を出さないのが慣わしの由。日本の美術蒐集では圧巻でしょう。
春草の「落葉」は護立侯所蔵ですし。 きのう、ふと活字が大きいのにひかされて谷崎....
「春盲」より 著者:豊島与志雄
田はふらふらする足で出て行った。粗らな小店の表戸ももう締め切ってあった。かすかに
春草の匂いのする荒野で、山田は小便をした。それから少し行くと、後から美津子が駆け....
「西航日録」より 著者:井上円了
満平蕪、車窓認得人烟密、汽笛声中入露都。 (万里をゆく道は一物として見えず、ただ
春草の平原をみたすのをみるのみである。車窓から人家の煙が濃密になったと思ううちに....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
余を隔つるチグレ町に至る。小市街なり。その途上は濁流の渺々たるラプラタ川を望み、
春草の※々たる農園牧場を見るは、大いに客懐を散ずるに足る。ラプラタ川はスペイン語....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
裂羽織の後ろへ差した最前の武士が、こういって止め合図をかけると、その露をふくんだ
春草の上へ駕尻軽く下ろされて、若党らしい者三、四名、小侍が二人ほど、小膝を折って....