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春野
「春野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
春野の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薤露行」より 著者:夏目漱石
とのみ眺むべからず、散ればこそまた咲く夏もあり。エレーンは食を断った。 衰えは
春野焼く火と小さき胸を侵《お》かして、愁《うれい》は衣に堪えぬ玉骨《ぎょっこつ》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
見すぼらしい破屋で、煤のふさふさと下った真黒な潜戸の上の壁に、何の禁厭やら、上に
春野山、と書いて、口の裂けた白黒まだらの狗の、前脚を立てた姿が、雨浸に浮び出でて....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
は返答に困り、益々顔を赧くしてもじ/\いたして居りますと、女中達は羨ましそうに、
春野「島路さん、何をお考え遊ばします、願ってもない御前様の御意、私なら直にお受け....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、その他の若草と共に食用として摘んだものである。和名鈔の菫菜で、爾雅に、※嬬らし
春野の菟芽子採みて煮らしも」(巻十・一八七九)という歌のように直ぐ食用にして居る....
「屋根の上の黒猫」より 著者:田中貢太郎
昭和九年の夏、横井
春野君が三田|稲門戦の試合を見て帰って来たところで、その時千葉の市川にいた令弟の....
「日記」より 著者:宮本百合子
の中を見るべきである。 一月三日(月曜) 〔書信〕坂本千枝子へ出 巨勢
春野返 〔読書〕「宇宙の謎」三十頁 「戦争トパリー」一一三頁 書き掛....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
成功の捷径でありましょう。細かい地名が想い出せないで残念でございますが、高知県に
春野神社という社があるそうでございます。これは、その昔、例の殖産、土木業の奨励者....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
雪色皚然たるも、海に面したる方は雪すでに消して、青草地に敷き、樹木も繁茂し、わが
春野を望むがごとし。麦田あるも、その長さ七、八寸に過ぎず。駅道は縦横に貫通す。渓....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
つて行つた戦争を呪つた。毎日朝から晩まで、来春から田圃をどうするかと歎き暮した。
春野も近づいて、源治はヒヨツコリと耳寄りな話を聞きこんだ。一里ばかり離れた部落の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って、その杉の樹の縞のあいだから見えるものは、やがて近い般若坂にかかるなだらかな
春野の傾斜と、それを裾にして右手の空にふくらんで乳房を持っているような三笠山の胸....