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「春陽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

春陽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文放古」より 著者:芥川竜之介
。何しろ九州の片田舎《かたいなか》でしょう。芝居はなし、展覧会はなし、(あなたは春陽会《しゅんようかい》へいらしって? 入《い》らしったら、今度知らせて頂戴《ち....
雛妓」より 著者:岡本かの子
石の大河原にも若草の叢の色が和みかけている。 動きの多い空の雲の隙間から飴色の春陽が、はだらはだらに射し下ろす。その光の中に横えられたコンクリートの長橋。父が....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ても此の頃は読書子に取っては恵まれた時代である。円本は勿論、改造文庫、岩波文庫、春陽堂文庫のたぐい、二十銭か三十銭で自分の読みたい本が自由に読まれるというのは、....
病房にたわむ花」より 著者:岡本かの子
かかって居る花片の間からところどころ延びた散髪に交って立つ太い銀色の白髪が午後の春陽に光って見えるのでありました。私はそれを見つけて見る見る憂鬱になってしまいま....
辞書」より 著者:折口信夫
もっと自由でなければならぬ。方言の研究の流行は、そろそろ峠に達した。そのことを、春陽堂から出版されている雑誌『方言』が示している。つまり、方言研究の流行は行き止....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
の本能であるとは云え、確かに円朝の技倆に因るものであると、今でも私は信じている。春陽堂発行の円朝全集のうちに「怪談牡丹燈籠覚書」というものがある。これは円朝自身....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
たので、お力は、座を外したのであった。 勇の説得 この離座敷へも、午後の春陽は射して来ていて、柱の影を、畳へ長く引いていた。 「板垣退助が参謀となり、岩....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
り上げて一句嘲罵を報いようとした。その刹那聞こえて来たものが、例の鼓の音である。春陽のようにも温かく松風のようにも清らかな、人の心を平和に誘う天籟のような鼓の音....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
元に青竹が置いてある。取り上げた乞食、スッと抜いた。 「怖くはないかな、村正だ」春陽にぶつかって刀身から、ユラユラユラユラと陽炎が立つ。 「怖いお方もございまし....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
がら、錆のある美音で唄い出した。 ※甲州出るときア涙が出たが 今じゃ甲州の風も厭春陽が明々と地を照らしその地上では鳩の群が餌をあさりながら啼いていた。吉野桜が散....
」より 著者:岡本かの子
。だぶだぶの帆布のようなカーキ色の服を着て居る。ぐっしょり落花を被った頭の白髪が春陽の光にきらきら光る。 ――こんにちはあ。 善良そうな笑いと一緒に挙手をした....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
せる余裕はない。いわゆる文壇|餓殍ありで、惨憺極る有様であったが、この時に当って春陽堂は鉄道小説、一名探偵小説を出して、一面飢えたる文士を救い、一面渇ける読者を....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
桜痴居士が『日日新聞』紙上に連載した小説「山県大弐」を、作者自身が同社へは無断で春陽堂から出版させたというのであった。今日では何の問題にもならないことであるが、....
読書雑感」より 著者:岡本綺堂
何といってもこの頃は読書子に取っては恵まれた時代である。円本は勿論、改造文庫、岩波文庫、春陽堂文庫のたぐい、二十銭か三十銭で自分の読みたい本が自由に読まれるというのは、....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は、終身大海の波上に立つことあたわざるべし。これに加うるに、婦人と小児はその心、春陽の青草のごとく宗教の風に伏しやすきものなり。その最もやすきものを婦人とす。ゆ....