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昧
「昧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
さんだって、そうさ、あれで、もう少し気が強かろうものなら、すぐにお前さんと刃物三
昧《はものざんまい》だわね。」
「そりゃもう一年|前《まえ》の事だ。」
「何年|....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
とはない。実際彼は公衆に向ってこの煮え切らない調和説の背後に、彼の芸術に対する曖
昧《あいまい》な態度を隠そうとしたこともある。
しかし公衆は欺かれても、彼自身....
「春」より 著者:芥川竜之介
としていた。彼女は一瞬間心の中に昔の「猿《さる》」を髣髴《ほうふつ》しながら、曖
昧《あいまい》に「そうねえ」を繰《く》り返した。が、辰子は「そうねえ」くらいに満....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
にもそれは覚えていない。つれがあるのか、一人なのか、その辺《へん》も同じように曖
昧《あいまい》である。
曖
昧と云えば浪の向うも靄《もや》のおりているせいか、甚....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
有《おっしゃ》います。が、全く当時の若殿様は、それほど御平生に似もやらず、恋慕三
昧《れんぼざんまい》に耽って御出でになりました。
しかし、これは、あながち、若....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の新築の書斎に閉じこもって、銀行家と云うよりは若隠居にでもふさわしそうな読書|三
昧《ざんまい》に耽っていたのです。これは勿論一つには、彼の蒲柳《ほりゅう》の体質....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
よ》わさせたのは勿論である。微笑を?――いや、必ずしも「微笑を」ではない。無智愚
昧《むちぐまい》の衆生《しゅじょう》に対する、海よりも深い憐憫《れんびん》の情は....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
は山の手の郊外に、雑木林《ぞうきばやし》のかげになっている書斎で、平静な読書|三
昧《さんまい》にふけっていたが、それでもなお、月に二、三度は、あの大川の水をなが....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
大阪と云うんじゃあるまいし、――」
地理に通じない叔母の返事は、心細いくらい曖
昧《あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内に潜んでいたある不安を....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
しないような気がしたから、白葡萄酒を嘗《な》め嘗め、「ええ」とか何とか、至極|曖
昧《あいまい》な返事をした。が、老紳士は少しも、こっちの返事などには、注意しない....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うにこう答を避けた。が、相手は腹を立てた気色《けしき》もなく、反《かえ》って薄気
昧が悪いほど、優しい微笑を漏《も》らしながら、
「そりゃどっちでも好いさ。どっち....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
レオパトラの鼻の如何に依《よ》ったのではない。寧《むし》ろ地上に遍満した我我の愚
昧《ぐまい》に依ったのである。哂《わら》うべき、――しかし壮厳な我我の愚
昧に依っ....
「運」より 著者:芥川竜之介
ると申すのでございますな。
「はっと思って、眼がさめると、坊主はやっぱり陀羅尼三
昧《だらにざんまい》でございます。が、何と云っているのだか、いくら耳を澄ましても....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
僕は四五分の後、電話に向わなければならなかった。電話は何度返事をしても、唯何か曖
昧な言葉を繰り返して伝えるばかりだった。が、それはともかくもモオルと聞えたのに違....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
い見知らぬ人が、野にも町にも、うようよと動いている。そこには耕すことしか知らぬ愚
昧な農夫と、スープをつくることと子供を生むことしか知らぬ醜い女とがいる。印度に行....