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昼席
「昼席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昼席の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
た。その日には用を済ませてから、銀林が京橋の側の寄席《よせ》に這入《はい》った。
昼席《ひるせき》であるから、余り客が多くはない。上品に見えるのは娘を連れた町家の....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
》という寄席《よせ》へ講釈を聴きに行った。今の三越の向側《むこうがわ》にいつでも
昼席の看板がかかっていて、その角《かど》を曲ると、寄席はつい小半町行くか行かない....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
に近所の小さい講釈場へ毎日通ったことがありました。今も昔もおなじことで、講釈場の
昼席などへ詰めかけている連中は、よっぽどの閑人か怠け者か、雨にふられて仕事にも出....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
た。 むすこのSちゃんに連れられては京橋近い東裏通りの寄席へ行った。暑いころの
昼席だと聴衆はほんの四五人ぐらいのこともあった。くりくり坊主の桃川如燕が張り扇で....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
時頃から開演するのを例としていたが、下町には正午から開演するものもあった。これを
昼席と称して、昼夜二回興行である。但し昼夜の出演者は同一でないのが普通であった。....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
が、伝統的にあった。昔は、歌舞伎芝居も飲食しながら見物されたものであるし、講釈も
昼席で枕をかりて寝転びながら聴かれたものである。所謂国粋的演芸ばかりでなく、現代....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
るとどうだろう飛田林覚兵衛も、江戸へ追っかけて来たではないか。 こうして昨日の
昼席となった。 舞台で孕独楽を使っていると、間近の桟敷で美貌の若武士が――すな....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
を思えば――。 「寄席」は昭和十七年十一月、十二月の二回にわたる発表(神田花月、
昼席)だったが、あの噺の中で志ん生はお艶《えん》ちゃんの仄《ほの》白い顔をチラッ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
少しでも暇がみつかると小圓太は、プイと師匠の家を飛び出し、近くのおし原亭あたり、
昼席へいった。 楽屋から客席へとおしてもらい、先輩たちの噺を真正面から取っ組ん....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
K中学の英語教師から講談師に転身したのであるが、私が入学した時分には、もう薄暗い
昼席の釈台を叩いて、若い講談ファンをよろこばせておられたから、英語の方の開眼はさ....
「円朝花火」より 著者:正岡容
き抜けていった。 その頃、落語家の檜舞台といわれた、向こうの垢離場《こりば》の
昼席でトリをつとめて三|百《ぞく》五|百《そく》の客を呼び、めきめき大方の人気を....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
だの鮨でも売らせたい――とこんな小唄の必ず思いだされてくるのも可笑《おか》しい。
昼席 ――
昼席ほど、しみじみ市井にいる心もちを、なつかしく身にしみ渡らせるもの....
「初看板」より 著者:正岡容
なってきました。 でもなんとかしていい落語家になりたいと、その頃、京橋の金沢の
昼席を、三年間、柳枝さんが真打をつとめていましたが、私はここへ勉強のため、無給金....
「寄席行灯」より 著者:正岡容
ばらしい。 明治、大正の噺家で、いくたり、あれだけの飄逸があろう? この日は
昼席の有名会で、我が圓蔵はたしか「八笑人」をやった。 喋っているうち、だんだん....