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「昼過ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昼過ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
集会所には朝の中《うち》から五十人近い小作者が集って場主の来るのを待っていたが、昼過ぎまで待ちぼけを喰《く》わされてしまった。場主はやがて帳場を伴《とも》につれ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
、家中のものが思わずほっと気息《いき》をついて安堵《あんど》したが、昼になっても昼過ぎになっても出産の模様が見えないで、産婆や看護婦の顔に、私だけに見える気遣《....
鯉魚」より 著者:岡本かの子
たがないと、思い諦めて、楽しいようなはかないような逢瀬《おうせ》を続けています。昼過ぎ、昭青年は姫に生飯を持って行って食べさせたあと、二人は川へ向いた苫を少し掻....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
御厄介になる代りに、裏の薪を割らしてください」というて旅籠屋の亭主の承諾を得て、昼過ぎかかって夜まで薪を挽《ひ》き、これを割り、たいていこのくらいで旅籠賃に足る....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
くの間、涙の出るがままにそこにぼんやりして居った。その日はとうとう朝飯もたべず、昼過ぎまで畑のあたりをうろついてしまった。 そうなると俄《にわか》に家に居るの....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
風呂ができるから入りに来てくれるようにと、お祖母さんはじめみんなへ言うて帰った。昼過ぎても雨はやまない。満蔵は六斗の米を搗き上げてしまって遊びに出た。あとは昼前....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、杭にかかって、ぶかぶか浮いた真蒼な西瓜を見て、それから夢中で、遁げたそうです。昼過ぎに、宰八が来て、その話。 私はその時分までぐっすり寝ました。 この時お....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、ある年の夏の初、館の森に蝉時雨が早瀬を走る水のように、喧しく聞えている、暑い真昼過ぎのことであったと申します――館の内部は降って湧いたような不時の来客に、午睡....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
に行って太陽が見たい、ここは暗いんですもの」 とその小さな子が申しました。 「昼過ぎになったら、太陽を拝みにつれて行ってあげますからね」 そう言えばここは、....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ある髪を結綿に結っていた、角絞りの鹿の子の切、浅葱と赤と二筋を花がけにしてこれが昼過ぎに出来たので、衣服は薄お納戸の棒縞糸織の袷、薄紫の裾廻し、唐繻子の襟を掛て....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
用はない。このまま一生ここにいても悪くはないと思う。が、そうもならない、この霧は昼過ぎにでもならねば晴れまいという。残念だが六万平を思い捨てて湯の宿へ帰ることに....
越年」より 著者:岡本かの子
補うとでもいうように力んでみせた。 「課長がいま社に残っているといいんだがなあ、昼過ぎに帰っちまったわねえ」 明子は現在加奈江の腫れた左の頬を一目、課長に見せ....
快走」より 著者:岡本かの子
て呉れたんだから…………そう思うと何だか可笑しくなって独りくすくす笑った。 お昼過ぎに母親と傘をさして済した顔でお湯に行った。 「そんなに長くお湯につかってる....
飴チョコの天使」より 著者:小川未明
が明けて、あかるくなると、汽車は、都会の停車場に着きました。 そして、その日の昼過ぎには、小包は宛名の家へ配達されました。 「田舎から、小包がきたよ。」と、子....
黒いちょうとお母さん」より 著者:小川未明
このごろ毎日のように昼過ぎになると、黒いちょうが庭の花壇に咲いているゆりの花へやってきます。 最初....