»
時々
「時々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
とり》、十二三歳の少年と一しょにぶらぶら仲店を歩いている。少年は父親の手を離れ、
時々|玩具屋《おもちゃや》の前に立ち止まったりする。父親は勿論こう云う少年を
時々....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
まない。彼は髯から手を放すと、やや反《そ》り身になって、鼻の高い、眼光の鋭い顔を
時々ちらりと眺めながら、勢いよく手真似《てまね》をして、しゃべり出した。
「いや....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ったなり、蔑《さげす》むような笑い方をした。が、藤井は無頓着《むとんじゃく》に、
時々和田へ目をやっては、得々《とくとく》と話を続けて行った。
「和田の乗ったのは....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
にこそ見えないが、そこにもここにも歩いている。――そうしてその幽霊《ゆうれい》が
時々我々の耳へ口をつけて、そっと昔の話を囁いてくれる。――そんな怪しげな考えがど....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
波颪《つくばおろ》しがだんだん寒さを加え出すと、求馬は風邪《かぜ》が元になって、
時々熱が昂《たか》ぶるようになった。が、彼は悪感《おかん》を冒しても、やはり日毎....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
らたかな御加護《おんかご》を加えられたらしい。長崎《ながさき》あたりの村々には、
時々日の暮の光と一しょに、天使や聖徒の見舞う事があった。現にあのさん・じょあん・....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の側へその代りに行っているとか云う事だった。
親子は箸《はし》を動かしながら、
時々短い口を利《き》いた。この一週間ばかりと云うものは、毎日こう云う二人きりの、....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
吉 いや、もう少し残っているのです。妙子は漢口《ハンカオ》へ行った後《のち》も、
時々達雄を思い出すのですね。のみならずしまいには夫よりも実は達雄を愛していたと考....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。――まあ、災難《さいなん》とお諦《あきら》めなさい。しかし馬の脚は丈夫ですよ。
時々|蹄鉄《ていてつ》を打ちかえれば、どんな山道でも平気ですよ。……」
すると....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
海草《かいそう》のほかは白《しら》じらと日の光に煙っていた。そこにはただ雲の影の
時々|大走《おおばし》りに通るだけだった。僕等は敷島を啣《くわ》えながら、しばら....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
すし》と、一味相通ずる何物かがあった。………
露柴はさも邪魔《じゃま》そうに、
時々|外套《がいとう》の袖をはねながら、快活に我々と話し続けた。如丹は静かに笑い....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
えそうな鉛筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。
時々真夜中ニ私ノ体ヘ、『アグニ』トイウ印度ノ神ヲ乗リ移ラセマス。私ハソノ神ガ乗リ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
去の記憶に照して見ても、そうでなかった事は一度もない。唯、この弟たるべき自分が、
時々向うの好意にもたれかゝって、あるまじき勝手な熱を吹く事もあるが、それさえ自分....
「初雪」より 著者:秋田滋
だよ。ここにこうしていりゃア、お前、好すぎるくらい好いじゃないか。お前ッて女は、
時々、妙なことを思いつくんだねえ」 彼女は呟くような声で云った。 「そうでもす....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
所に奉公している中に死んだが、母はファラデーと別居していて、息子の仕送りで暮し、
時々協会にたずね来ては、息子の名声の昇り行くのを喜んでおった。 ファラデーは結....