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時じ
「時じ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時じの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
たまま、すすけた天井に描かれたランプの丸い光輪をぼんやりとながめていた。
その
時じたッじたッとぬれた足で階子段《はしごだん》をのぼって来る古藤の足音が聞こえた....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
遥《はるか》に馬子歌《まごうた》が聞えたて。」
二十
「さて、それからご飯の
時じゃ、膳《ぜん》には山家《やまが》の香《こう》の物、生姜《はじかみ》の漬《つ》....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
十八時の音楽浴じゃないか」 と閣下は目をパチクリとしたが、「待てよ。いまは八
時じゃないか。音楽浴が間違って始まりだした。おい係りの者は何をやっているのだ」 ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
れる。従って、声もがッと太く渦巻く。 「変に静まりましたな、もって来いという間の
時じゃ、何ぞお話し下さらんか。宵からまだ、貴下に限って、一ツも凄いのが出ませんで....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
りゃアならなくなったし、そうそうお前のことばかりにかまけてはいられないよ。半玉の
時じゃアあるまいし、高が五十円か百円の身受け相談ぐらい、相対ずくでも方がつくだろ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
「今夜は今も話していたように、もっと大事な仕事があるんだ。喧嘩などしているような
時じゃないわ」といって、それから僕の方へ向き直り、「ところでお前さんに訊ねるがの....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
松本中での長尻ぞい……というて奥方、農産会に出た糸瓜ではござらぬぞ。三杯飲めば一
時じゃ。今の時間で二時間かかる。少い人たち二人の処、向後はともあれ、今日ばかりは....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
先上り。後はなぞえに下り道。車がはずんで、ごろごろと、私がこの茶店の前まで参った
時じゃ、と……申します。 やい、枕をくれ、枕をくれ、と嘉吉めが喚くげな。 何....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
もなし。世帯崩しに、はらはらとお急ぎなされ、それ、御家の格子をすっと入って、その
時じゃ――その時覚えました、あれなる出窓じゃ―― 何と、その出窓の下に……令嬢....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
せなすった。 うまいこと知ってるな、じいさん。じいさんと母様と私と三人だ。その
時じいさんがそのまんまで控綱をそこン処の棒杭に縛りッ放しにして猿をうっちゃって行....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
私は二十二だと言うのに、……………ジョーンやワルトン、あんな男達と押し合って居る
時じゃない、二人を見捨てよう。そして新らしく私は私の希願に向って進んで行こう」 ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
。ついこの間もかぜを引いて三日寝ました。水をのみに行きます廊下で、「今度などが汐
時じゃ。……養生と言って実家へ帰したら。」姑たちが話すのを、ふいに痛い胸に聞いた....
「快走」より 著者:岡本かの子
紙にくるんで家を出ようとした。 「どこへ行くんです、この忙がしいのに。それに夕飯
時じゃありませんか」 母親の声は鋭かった。道子は腰を折られて引返した。夕食を兄....
「古事記」より 著者:太安万侶
その地の名を墮國《おちくに》と言いましたが、今では弟國《おとくに》と言うのです。
時じくの香《かぐ》の木の實 ――タヂマモリの子孫の家に傳えられた説話。―― ....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
のためにもよいではありませんか』と、申しますと、新生寺さんは両手を膝に置いて、暫
時じいっと考え込んで居られましたが、軈て顔を上げるとちらりと私の方を盗み見て、ま....