時の氏神[語句情報] » 時の氏神

「時の氏神〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時の氏神の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
りますよ。ね、ハナ子さん……でしたかネ」 僕が不用意に放った失言が、女にとって時の氏神のユーモアであったのだろうか、彼女は泣くのをピタリと停めた。 「あたくし....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
るわよ。――さあ起きなさいよォ」 お千はすっかり機嫌を直していた。 配給品が時の氏神であった。二人はそれを並べて幾度も手にとりあげては、顔を見合わせて笑った....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
見たところみんな口の利《き》きようを知らねえ人様ばっかりだ、ここでひとつ拙者が、時の氏神と出かけねえければ納まりがつくめえ。だが、こういう氏神はまかり間違えば頭....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
心には友の私を思って下さる美しいものが溢れているのである。そこで私は仲にはいって時の氏神をつとめたのである。 「今のお二人のお言葉こそ何よりのご馳走様でございま....
私本太平記」より 著者:吉川英治
してきた味方とに、 「たのもしい楠木殿」 「わが多聞兵衛どの」 と、それこそ、時の氏神の顕現のように、囲繞されていたのである。――だから今なら、それら参陣の武....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ての彼には、思いやられるものがある。まったく彼の昨今は精彩がない。 かつては、時の氏神のように、その英姿を、世上に仰がせたほどな彼が、こんにち、この敗退に次ぐ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、後鳥羽天皇の践祚を断行されるなど、眼まぐるしいほど複雑である。 大観すると、時の氏神は、どうしても、後白河法皇である。義仲といえ、頼朝、義経といえ、いわばワ....