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時を待つ
「時を待つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時を待つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
四十八
「叔父さんの馬鹿やい」
と言いながら次郎は縁側に立って夕飯の
時を待つ岸本の側へ寄った。この兄の二番目の子供は「馬鹿やい」を言うほど岸本に対し....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
楯も耐まらぬ思いである、けれど力の及ばぬ事は嘆いても詮がないゆえ、漸く我慢して十
時を待つと云う事には決心したが、さて斯うなって見ると、初めて自分の身体が一方なら....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
佐渡に流されて現わし、戒壇のことは身延でちょっと言われたが、時がまだ来ていない、
時を待つべきであると言って亡くなられました。と申しますのは、戒壇は日本が世界的な....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
をすっかり知って、なめている態度がよく分る。しかし事実ゆえ仕方がない。忍耐精励、
時を待つしかない。 気にしまいとすれどもきょうの吹雪かな ◯「富士」編輯局の....
「安重根」より 著者:谷譲次
えても、どうなるというものではない。待つのだ。強い者が弱くなり、弱い者が強くなる
時を待つのだ。ははははは、じっと待つのだよ。待ちさえすれば、その時機は必ず来る―....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の海岸線を走ろうというのですから、留め手のない限り、その興の尽き、足の疲れ果つる
時を待つよりほかに、留めるすべはない。 けれども、まっしぐらに走ること数町にし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
べきこと――つまり、すべての所行というものを封じて、当分、勉強なさって、御帰参の
時を待つか、そうでなければ大都会で、もう一修行なさることを望みます、というような....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
こに最後を死守して、相抱いて溶鉱の中に埋れ去るのがいいのだ、鎮まるべきものならば
時を待つに越したことはない、結局、運命を山に任して、山が動き出した以上は、人間が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その時はひとり悄然《しょうぜん》として離れて、その炎の燃えて、燃えて、燃え尽きる
時を待つの態度に出づるほかはありませんでした。 多分、今晩もそうしたような場合....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
婆っ気が抜けて監獄っ気ばかりになった。終日たべ物のことばかり考えて、三度三度の飯
時を待つより外に、何の欲っ気もなくなった。毎夜二、三度はきっと眼を覚すが、気がつ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
犯人はやがて毒がまわって、加納さんがふらつき倒れることを知っていました。彼はその
時を待つために、加納さんについてまわっていたのです。毒がまわって倒れかけたとき、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が望んでいるのは、ただ、かの鏡を打ち割る機会さえ捉え得ればいいのである。それには
時を待つよりほかはない。彼は心のうちにいろいろの手段方法をめぐらしてみたが、どれ....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
子供たちが成長して選挙権をもつ頃、排日問題は自然に解決出来るであろう。気長く其の
時を待つことだ。現にハワイでは日本人が数名下院議員に当選してい、副検事長も日本人....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
ば、早く一時に銭を取りこれを費やして小安を買わんより、力を労して倹約を守り大成の
時を待つに若《し》かず。学問に入らば大いに学問すべし。農たらば大農となれ、商たら....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
星の為に、かくまで激しい信号を発するか、その理由さえ解せられぬ、ただ気長く分かる
時を待つのみだ。 十三 天文学者は益々熱心に軌道の測量をするけれど、どうしても測....