時を移さず[語句情報] » 時を移さず

「時を移さず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時を移さずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
死を忘れて床の上に身を縮み上がらしておいおいと泣いていた。 医員の報告で院長も時を移さずそこに駆けつけた。応急の手あてとして四個の氷嚢《ひょうのう》が下腹部に....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
いて、自分は更に恐怖心を高めた。 五寸|角の土台数十丁一寸|厚みの松板数十枚は時を移さず、牛舎に運ばれた。もちろん大工を呼ぶ暇は無い。三人の男共を指揮して、数....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
の女達のあられもない姿を認めて、彼女等を訊問したことに依って早くも事件を知って、時を移さず表口や裏口に手配をしたことが報告されている。感電事件に居合せた浴客の男....
白蛇の死」より 著者:海野十三
な謎の屍体は、忽ち土地の警察は言うまでも無く、警視庁|強力犯係の大問題となって、時を移さず血眼の大捜索が開始された。お由の屍体は直ぐに大学病院に運ばれて解剖に附....
痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
満足な結果を得ないとも限らぬと私は思いました。 さて、患者が承諾をすると、私は時を移さず手術の準備を致しました。眼科の手術は外科の手術とちがって極めて簡単です....
地球要塞」より 著者:海野十三
、国内に侵入し、わが要塞建設を察知すべく、よって直ちに金星へ通信し、金星大軍は、時を移さず、わが本土内に攻め入り、ひいては地球の大敗北を誘致するに到りたるものと....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
行方不明は、この怪物団の仕業かと疑われるをもって、わが隊は到着せる救援隊と共に、時を移さず目下これを追跡中なり” 「なあるほど」 幕僚がうなずいて、辻艇長の方....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の願いをお聴き入れ下さいませ……。』 私の方でも心から気の毒に思いましたから、時を移さず一|生懸命になって神様に命乞いの祈願をかけましたが、何分にも相当手遅れ....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
万、万歳!」の一つの竜牌だ。これこそすぐにも革擲すべきものだと思ったから、二人は時を移さず靜修庵に行くと、老いたる尼が邪魔をしたので、彼等は尼を満州政府と見做し....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
立てながら、 「その方はここをどこだと思う? 速に返答をすれば好し、さもなければ時を移さず、地獄の呵責に遇わせてくれるぞ」と、威丈高に罵りました。 が、杜子春....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ってしまった。その顔色は蒼白となったので、私はきっと彼が意識を失うものと思って、時を移さずに彼を伴って明かり窓を降りて、船室のソファの上にそのからだを横たえさせ....
恐ろしき贈物」より 著者:小酒井不木
驚いて、ぼんやりしていたが、やがて気を取り直して、警察に急を報ずると、警察からは時を移さず、ブレスナンという探偵が、警察医と二人の部下を従えてやって来た。 死....
現場の写真」より 著者:小酒井不木
を見た甚吉は、腰を抜かさんばかりに驚き、直ちにこれを付近の駐在所に訴え出たので、時を移さず警視庁から捜査班の人々がかけつけ、まず現場の写真を数枚撮影し、それから....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ながら、伯爵未亡人からゆすり取ろうとしたのだった。彼女はセシルに訴えた。セシルは時を移さず行動した。悪漢は捕縛されて、星法院に送られたが、被告は彼女に二千ポンド....
酒倉」より 著者:小川未明
あります。すると、急に腹が痛みだしてきて、みんなは苦しみはじめました。そうして、時を移さずにごろごろと倒れて死んでしまいました。 はるかに、このようすを見てい....