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時下
「時下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
屏息《へいそく》せず艱難《かんなん》して一路の光明を求め出でられ候よう祈りあげ候
時下晩秋黄落しきりに候御自護あいなるべく御母堂にもくれぐれもよろしく御伝えくださ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ずね申しに出たことがございました」 女装の少年は七兵衛に見あらわされた通り、当
時下谷に大きい町道場をひらいている剣術指南内田伝十郎の息子であった。この夏以来、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
重臣たちは考えるのであろうか。腑に落ちない。今までそれで散々失敗していながら、戦
時下最終の内閣を組立てるのだといわれながら、この老人の顔に出られては、われらの士....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
沈んでは浮かび、浮かんでは沈む。 どこからも救いは来ないらしい。 だがその
時下流の方から、こんな掛け声が聞こえて来た。「エッサ、エッサ、エッサ、エッサ」 ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
すけれど、全くあたしには合点がいかないんです」 お末の取調べはその位にして、一
時下らせるより外なかった。 帆村は係官の前へ出て、自分の困惑を正直にぶちまけた....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
くと、特に志願して、この事件の解決にあたることになったのである。当局としては、戦
時下非常にいそがしい折柄でもあるので、七人組の申し出をたいへん喜び、それに事件を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
水道橋の方へ出向いたあとで。…… 四 遅い午餉だったから、もう二
時下り。亭主の出たあと、女房は膳の上で温茶を含んで、干ものの残りに皿をかぶせ、余....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
を一朝にして失い、閉店倒産したものが少なくなかった。大正四年開戦の当初は諸物価一
時下落したが、たちまちにして騰勢に変じ、漸次その勢いを増して今日は昨日より明日は....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
?」 「いやはやまるっきり分りませぬかな?」「かいくれ見当がつきませぬ」 この
時下男の八蔵が、突然大きな嚏をした。彼はいくらかおろかしいのであった。さっきから....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
わかりゃしないという。そこでテスト・パイロットは決意する。「やってみよう。上昇の
時下降の方へ桿を押す勇気の問題だ」一度墜落の時夢中にやったことであるがこれを意識....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
にそっと氷嚢を載せた。それからそっと三畳に寝ている赤ン坊を覗き込んだ。 夫は一
時下りかけた熱がブリ返えして、高い熱が又一週間続いている。赤ン坊は幸せと丈夫だっ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
がお好かい。家にもあったようだよ、持って来て上げよう」といわれましたが、次に来た
時下すったのは鹿の角で彫った小指位の根附でした。蝦蟇仙人の立姿で蝦蟇を肩に載せて....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
た。 第一、炭運びが出来やしない、書き入れ時だというのに。そればかりでなく、戦
時下の増産計画で、共同馬耕をつい先日協議したが、それも……村では、牡馬はよほどの....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
は西洋より伝来したるものにして、その流行は豆州下田より起こりしこと明らかなり。当
時下田にありし船頭の輩、ひとたびこの怪事を実視し、その後東西の諸港に入りてこれを....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
胞に登って、種々調査をしたなら趣味あることだろう。 十四 坊主小屋 四
時下山し、殺生小屋を過ぎ、二十分で坊主小屋、屋上には、開山の播隆上人の碑、それを....