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「時代後れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時代後れの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
ん》には分らないよ。琴を聴くと京都の事を思い出すね。京都は静でいい。阿父のような時代後れの人間は東京のような烈《はげ》しい所には向かない。東京はまあ小野だの、御....
私の個人主義」より 著者:夏目漱石
気に入らないと云って怒ったのを、驚ろきもしたし、また変にも感じました。失礼ながら時代後れだとも思いました。封建《ほうけん》時代の人間の団隊のようにも考えました。....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
そうとするのは、ちょうどカゴへ乗って何でも蚊《か》でも汽車と競争しようとあせる、時代後れの頑物《がんぶつ》――まあわからずやの張本《ちょうほん》、烏金《からすが....
カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
《でんう》は煤《すす》を含む雲の影の去るに任せて隠見す。 「倫敦の方」とはすでに時代後れの話である。今日《こんにち》チェルシーに来て倫敦の方を見るのは家の中《う....
食魔」より 著者:岡本かの子
教師上りで、草創時代の女学校とてその他家政に属する課目は何くれとなく教えていた。時代後れとなって学校を退かされてもこれが却って身過ぎの便りとなり、下町の娘たちを....
沈黙の塔」より 著者:森鴎外
が修行で、虚無が成道である。この方嚮から見ると、少しでも積極的な事を言うものは、時代後れの馬鹿ものか、そうでなければ嘘衝きでなくてはならない。 次に人の目に附....
社会時評」より 著者:戸坂潤
資本主義的発達に伴って、交通機関が極度に発達した。その結果、実を云うと路面電車程時代後れな交通機関はなくなったのである。之は処が別に東京だけの特別な現象ではない....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
かなかった。今思えばじつに惜しいことをしたものである。その時分の基督教徒は仏教を時代後れとして、全く顧みなかったのである。 早稲田を卒業すると私は一年ほど北海....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、親しくなさいました。学者としてあがめられても、もともと漢方のお医者でしたから、時代後れで、質素なお暮しでした。私が稽古に通った関澄桂子さんともお附合なのです。....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
、これだこれだ……どうも少し怪しいと思ったっけ……オイ、電話の手品なんざあ、少々時代後れだよ……気の毒ながら途中で戻って来たんだ』とルパンを傍に突き除けつつ、女....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
して田舎の生活は、健康的であり、平和、悠暢であるべきはずです。それと同時に反面、時代後れや、不活溌、平凡、退屈があり、筋肉労働があるのです。 両者を人体に譬う....