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時代物
「時代物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時代物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
からね」 土門はそう言って、黒い幕のなかへはいった。舞台では「浪人長屋」という
時代物の喜劇がはじまっていた。 土門は豹一と並んで席に就くと「一《ぴん》ちゃん....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
在のままに於て定義を下すなら、大衆文芸とは、震災後に於て現れたる興味中心の髷物、
時代物小説である、という事ができる。 しかし、現在では大衆文芸はややその範囲を....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
不調和に同居しているところに破綻があり不快がある。このような失敗はほとんど日本の
時代物の映画に限って現われる特異現象であるらしく思われるのである。 ロシア映画....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
る。われらの祖父母のありし日の世界をそのままで目の前に浮かばせるような、リアルな
時代物映画は見たことがない。チャンバラの果たし合いでも安芝居の立ち回りの引き写し....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
解できない。あるいは、これがいちばん費用がかからないためかとも思う。 こういう
時代物の映画で俳優たちのいちばんスチューピッドに見えるのは、彼らが何かひとかどの....
「おみな」より 著者:坂口安吾
宿をうつしていた。 暫くの音信不通の間に、女は東京を落ちのび、中山道の宿場町に
時代物の侘住居を営んでいる。私もうらぶれた落武者の荒涼とした心を懐いて宿場町へ訪....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
た正確である。であるから大阪で源之助がもう少し揉まれて来ればよかったと思う。元来
時代物をおろそかにして、その時の出たとこ勝負の世話物に専門(?)になったのが弱点....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
』に入社。 石井露月君が校正として『小日本』に入社。 斎藤緑雨君が何とかいう
時代物の小説を『小日本』に連載。 緑雨君の弟子たる小杉天外君が初めて「蝶ちゃん....
「怪談劇」より 著者:岡本綺堂
談をみせて、夏なお寒きを覚えしめるという趣向かも知れない。 勿論、怪談の狂言に
時代物もあるが、怪談として凄味の多いのは世話物である。その意味から云って、世話物....
「探偵小説の世界的流行」より 著者:平林初之輔
思われる。とにかく、好むと好まざるとにかかわらず、日本の大衆的読みものは、従来の
時代物から探偵小説およびその姉妹小説へ転向してくるであろうことは、正確に私は予言してよいと思う。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ややや」というと、慌てて落した、うっかり膝の上に、ト琴を抱いた姿だった、毛繻子の
時代物を急いで掻い取り、ちょいと敷居の外へ出して、膝小僧を露出しに障子を閉めて圧....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
は江戸時代から台詞の記憶が悪い点においても有名であった。したがって、きまり切った
時代物は格別、新作物などになると当人も困った。相手になる者も困った。その欠点が中....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
妙なりし事想像するに余りあり。市川家|荒事《あらごと》を始め浄瑠璃《じょうるり》
時代物の人物についてこれを見れば思半《おもいなかば》に過《すぐ》るものあるべし。....
「正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
ここに附記していう。岡鬼太郎《おかおにたろう》君は近松の真価は世話物ではなくして
時代物であると言われたが、わたくしは岡君の言う所に心服している。 西鶴の価《あ....
「土田さんの芸術」より 著者:上村松園
たが落選したと聞いた。〈春山霞壮夫〉と題した作は古事記か何かにある神話で、珍しく
時代物だった。確か私の〈人形遣い〉を出した年で、両方共銀賞だった様に覚えている。....