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時代錯誤
「時代錯誤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時代錯誤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
標準を用いずに、美とか真とか善とか言う他の標準を求めるのは最も滑稽《こっけい》な
時代錯誤であります。諸君は赤らんだ麦藁帽《むぎわらぼう》のように旧時代を捨てなけ....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
は映画界の末席をけがす一人の人間として、かくのごとく不可思議な、しかもあまりにも
時代錯誤的な話題を天下に提供することに堪え得ざる屈辱を感じる。しかもなお、それを....
「縮図」より 著者:徳田秋声
横溢につれて圧倒的に流行しはじめた洋装やパーマネントに押されて、昼間の銀座では、
時代錯誤の可笑しさ身すぼらしさをさえ感じさせたこともあったが、明治時代の政権と金....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
いかと想像される。 日本では科学は今ごろ「奨励」されているようである。驚くべき
時代錯誤ではないかと思う。世界では奨励時代はとうの昔に過ぎ去ってしまっているので....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
質が掴めるとは思わないが)。第二にこの作には誰でも知っているようにきわめて多くの
時代錯誤がある。しかしこれは私はあまり気にしていない。しかしむろんこれを誇ろうと....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
立ちながら而も他の点に固有な切線の方向を追求しようとするならば、この性格の誤解は
時代錯誤と呼ばれているであろう。蓋し事物――歴史的部分――の歴史的運動は終局に於....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
上にまで平行移動させれば、前者は茲に反動的な役割を持って来る。――この平行移動を
時代錯誤という。 ** この点に就いては曾て分析を試みた(拙著『イデオロギーの論....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しも愛してはいなかった。彼は当時の芸術の圏外にあった。一つの怪物であり、生きたる
時代錯誤であった。彼はいつもそうだった。そして十年間の孤独はその対比をなお強めて....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
の一等室の買切りが、はや市中の話題を独占してしまったが、詰まる所は、尾彦楼お筆の
時代錯誤的な大尽風となってしまい、その如何にも古めかし気な駄駄羅振りには、栗生武....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
が、今日公設市場や百貨店の様な近代的経営方法が行われている時に、こんなやり方では
時代錯誤も甚だしいことと思う。お得意を廻って、三軒に一つ、五軒に一つの御用を頂戴....
「独房」より 著者:小林多喜二
られているのを見ると、一緒の同志が「出たら、第一番に活動を見たいな。」と云った。
時代錯誤な議事堂の建物も、大方出来ていた。俺だちはその尖塔を窓から覗きあげた。頂....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
代的感覚が察知しられること――その上、故意になされたと推定し得るほどにも、明白な
時代錯誤場所錯誤、及びある程度の矛盾が、敢てなされていること、等を合せ考えるとき....
「私を語る」より 著者:種田山頭火
は峯頭に起るも、或は庵中閑打坐は許されないであろう。しかも私は、無能無力の私は、
時代錯誤的性情の持主である私は、巷に立ってラッパを吹くほどの意力も持っていない。....
「範疇の発生学」より 著者:戸坂潤
主義は、第二の反動公式の一つの必然的な変容である。 * 反動の第一公式は
時代錯誤に相当し、その第二公式はファシズムに相当する。両者は範疇の系統的発生に対....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
今更のように二十年前の日本を考えずにはいられなかった。同時に又ちょっと表忠碑にも
時代錯誤に近いものを感じない訳には行かなかった。 この表忠碑の後には確か両国劇....