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時価
「時価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
《ろば》の脳髄ですよ。ええ、一度乾燥させてから、ざっと粉末にしただけのものです。
時価は一|噸《とん》二三銭ですがね。」
もちろんこういう工業上の奇蹟は書籍製造....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
っているんだ。然し、この方は現在一冊も残っちゃいないけれども、グーテンベルク本は
時価六十万ポンドといわれているんだぜ。だから、もしもこれが真実なら、実に驚くべし....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
え。婦長さんが云ってたわ。あの鉛筆の芯ほどの太さで僅か一センチほどの長さなのが、
時価五六万円もするですって。ああ大変、あれが無くなっちゃ大変だわ。あたし、ご不浄....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
た金で、ちびり/\と田と畠を買い集めた。破産した人間の土地を値切り倒して、それで
時価よりも安く買えると彼は、鬼の首を取ったように喜んだ。 七年間に、彼は、全然....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
念の為再び金庫を開いて調べてみると、支配人が大急ぎで金庫に投げ入れた宝石の一つ、
時価数万円のダイヤモンドが一|顆不足していた。機敏な曲者は支配人が金庫へ入れる前....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
。且初版以後一度も覆刻されなかった故、今日では貴重な稀覯書として珍重されて、倫敦
時価一千円以上である。且又其価は年々騰貴するから、幾年後には何千円を値いするよう....
「骸骨館」より 著者:海野十三
られたものは三十数カラットもあるずばぬけて大きいダイヤモンドで、これ一箇だけでも
時価百五十万円はするといわれていた(このダイヤは、ある尊い仏像からはずした物だと....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
って、それには次のような文字が認めてあった。 「これはアフリカ産毒蛇ブルヒルス。
時価八千五百円也。当家使用料としてお納め下されたし」....
「恐竜島」より 著者:海野十三
かった。……どう見ても、海賊の残していった金貨の大箱が五つも六つもあるようす……
時価になおすと、どえらい金高になるぞ。……恐竜を生捕《いけど》ることはやめて、こ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
一字ずつ幽に響いた。私は一拝した。 「清衡朝臣の奉供、一切経のうちであります――
時価で申しますとな、唯この一巻でも一万円以上であります。」 橘南谿の東遊記に、....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ねていた。秘報によると、それは暁団の不在に乗じて、警戒員の隙を窺い、例の金庫から
時価一億円に余るという金兵衛の財宝を掠める相談だとも伝えられ、また予ねて苦心の末....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
った。 「国境ヨリ 真珠ノ頸飾ノ密輸甚ダ盛ンナリ。此処数日間ニ密輸サレタル数量ハ
時価ニシテ五十万るーぶりニ達ス。而シテ之レ皆貴関ヨリ密輸セラレタルコト判明セリ。....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
の青色のダイヤモンドは、彼等三人の久しく狙っていたところのものであります。それは
時価少くとも二十万円の宝石でありまして、大きさは無名指の頭ぐらいですけれど、その....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
税務署でさっそく議会の決議に応じたものと見え、この村の不毛地に対し、畦地は熟田の
時価の半額見当に、畑ざかいの荒地は隣接の畑地の約半額と言ったふうに『査定』し、急....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
は冗談半分に笑いながら申しました。 銀座の××宝石商は、東京でも屈指の大店で、
時価八十万円の首飾りが、一夜盗賊のために盗み去られたのであります。 警察では非....