時借り[語句情報] » 時借り

「時借り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時借りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
岩石の間」より 著者:島崎藤村
ことば》で、その中に言い表してあった。 その晩、高瀬は隣の屋敷の方へ行って、一時借りている部屋で、東京の友人に宛てた手紙を書いた。一間ほど隔てて寄宿する生徒等....
足迹」より 著者:徳田秋声
帰る時、磯野も一緒に田舎へ行くことになった。磯野が兄の取引き先から二十円三十円と時借りをした金の額の少くないことが、その時すっかり解った。お庄のところへ来たてに....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
鳥料理。 お妻が……言った通り、気軽に唄いもし、踊りもしたのに、一夜、近所から時借りの、三味線の、爪弾で…… 丑みつの、鐘もおとなき古寺に、ばけものどしがあつ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たが、急に決心したのは、どうなるものか、後で話はわからあ、力ずくでも、この馬を一時借りなけりゃならねえ、そうしなけりゃ恩人の命の危急なんだ。 そこで、度胸を据....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
。しかもかれはまだ落ちついてはいられなかった。かれはすぐにまた飛び出して、近所の時借りなどを返してあるいた。それから下谷まで行って、一番大口の一両一分を払って来....
魔都」より 著者:久生十蘭
失わんとする危急存亡の場合と見て取ったから、言うまでもないことだが大いに狼狽し、時借りのタキシードが皺になるのも厭わずいきなり鶴子をすッとこ脊負いにすると一切夢....
アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
ネイ弁護士の事務所へ連れ込んで置く。クウネイには事情を明かして、電話と事務所を一時借りることにした。 地下鉄ビルディングのクウネイ弁護士の事務所である。ジュッ....
周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
置けば、穴の外に出しあり。之を返済する時も、穴の傍まで持ち行くを例とせしが、或る時借り受けし器物を破損し、其のまゝ返し置きたる為、山姥の怒を招きけん、其の翌歳よ....
ある神主の話」より 著者:田中貢太郎
りたいと思っている」 「どうして人間になる」 「人間の体を借りるつもりだ」 「何時借りる」 「明日、午の比、この傍の路を旅人が通るから、その笠を飛ばして、それを....
耳香水」より 著者:大倉燁子
。処が生憎と空いた部屋は一つもなかったんですよ。仕方がないから女給さんの部屋を一時借りる積りで、そこへ案内してやったんです。女給さんは昨夜来たばかりだし、まさか....