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時儀
「時儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
を主宰《しゅさい》するカメレオンですよ。きょうもあの偶像の前に大勢《おおぜい》お
時儀《じぎ》をしていたでしょう。ああ云う連中は野菜の売れる祈祷の言葉を唱《とな》....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
はり紺サアジの背広に新らしい麦藁帽《むぎわらぼう》をかぶっている。保吉は丁寧にお
時儀《じぎ》をした。
「お早うございます。」
「大分《だいぶ》蒸《む》すようにな....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
うに、三尺ほど後《うしろ》へ飛び下《さが》ると、いよいよまた丁寧《ていねい》にお
時儀《じぎ》をした。
五
日本一の桃太郎は犬猿雉の三匹と、人質に取った鬼の....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
さんも確かにその瞬間、保吉の顔を見たらしかった。と同時に保吉は思わずお嬢さんへお
時儀《じぎ》をしてしまった。
お
時儀をされたお嬢さんはびっくりしたのに相違ある....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
ゃ檀那《だんな》でしたか。」――客は中折帽を脱ぎながら、何度も声の主《ぬし》に御
時儀《おじぎ》をした。声の主は俳人の露柴《ろさい》、河岸《かし》の丸清《まるせい....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を切るのかね。」「へへ。」と薄暗い顔を上げてニヤリと笑いながら、鳥打帽を取ってお
時儀をして、また被り直すと、そのままごそごそと樹を潜って廂に隠れる。 帳場は遠....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
ちが出口に立って紙に包んだ菓子を生徒に一人一人わけてやる。生徒はにこにこして、お
時儀をしてそれを受け取った。ていねいに懐にしまうものもあれば、紙をあげて見るもの....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
げのう、ただ頷いていたのでありました。 「そらお雪、どうせこうなりゃ御厄介だ。お
時儀も御挨拶も既に通り越しているんだからの、御遠慮を申さないで、早く寝かして戴く....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
びとめて、座敷の方でなくこちらに通してよいと云った。 敏子ははいって来ると、お
時儀をしてからそこに立止った。引きしまった頬にぽっと上気して、理知的な眼を伏せて....
「男ぎらい」より 著者:豊島与志雄
もねえぞ。お祭りに酒が足りなかったらしいね。俺が奢ってやろう。」 頭をかいてお
時儀をする者もありました。 「いえね、美枝ちゃんが倉光君をどこかに隠したというん....
「牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
降り、手綱を引っぱって戻ってきた。わたしは少し極りわるく、立ち上って、無意味にお
時儀をした。 「怪我はなかったでしょうね。」 わたしは無言で頭を振った。 「動....
「好人物」より 著者:豊島与志雄
「やっぱり、駄目ですの。菊ちゃんのことを頼みます。」 不思議なことに、高木はお
時儀をするように頷いたのである。その肩のあたりへ三千子は倒れかかるように寄りそっ....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
と着換えて脱ぎ捨てたのか、よく覚えていなかった。千代乃はそれを風呂敷に包んで、お
時儀をすると、弘子も極りわるげにお
時儀をした。 「僕はちょっと用があるから、お送....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
った。 浅野はつっ立って、壁にかかってる洋画の風景を眺めていた。慌てたようにお
時儀をして、まだ立っていた。 「どうぞ。」 窓際の小卓を美枝子は指して、自分は....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
手足が冷たいくせに、たぎったような血が脳天に上って行くのが判るんですよ」 その
時儀右衛門が苦しくなって中止したように、それはなんとも云えぬ、不気味な表象だった....