時分時[語句情報] » 時分時

「時分時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時分時の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ある、その写真は延喜棚《えんぎだな》にかざって顔を見ていぬときは、何事をおいても時分時になると屹度《きっと》蔭膳《かげぜん》をすえ、自分の商売繁昌よりは情人の無....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
かりました。」 お武家はあつく礼を云って、雨の晴れるまで話していました。やがて時分時になったので、奴豆腐に胡瓜揉みと云ったような台所料理のゆう飯を出すと、お武....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
家へ走らせたが、部屋へ納まっても、何か仮り着をしているようで、庸三は気が負けた。時分時だったので、庸三は葉子の註文もきいて料理を通した。 「少し痩せたね。」 「....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
唸《うな》らせるだけのものでした。 一通り熊の世話を焼いてしまってみると、さあ時分時《じぶんどき》だ――これからひとつ道庵先生のために、弁当を運ばねばならぬ時....
深川女房」より 著者:小栗風葉
支度にも取りかかる時刻であるから、お光はお仙の帰ったのを機に暇を告げたのである。時分時ではあり、何もないけれど、お光さんの好きな鰻でもそう言うからと、親子してし....
小説 円朝」より 著者:正岡容
流れているほうへ、真黒い衣を鋭くひるがえしながらとつかはと消えていってしまった。時分時だというけれど、自分たちの住んでいた町家《まちや》のようにお汁《つゆ》の匂....
式部小路」より 著者:泉鏡花
れると向うの飯屋へ食いに行って、また煽りつけた。帰りがけに、(おう、翌日ッから、時分時にゃ、ちょいと御飯ですよッて声をかけてくんねえよ。三度々々食いに来ら。茶碗....
神戸」より 著者:古川緑波
ある。 味も、建物も、すべてが、昔風。こんなことで商売になるのかと心配したが、時分時《じぶんどき》でもない、午後三時頃に、僕の部屋以外にも、客の声がしていた。....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
な」の一角に畳一畳位の処に店番の人が小さな火鉢や行火をかかえてちんまりと座って、時分時にささやかな箱弁当でも食べていようという光景はとても大正昭和の時代にはふさ....