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「時刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
連れになったまま、その明るい月の中を車でゆっくりと御出でになりました。が、何しろ時刻が遅いので、人っ子一人通らない往来には、遠田《とおだ》の蛙《かわず》の声と、....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
く》がここまで語り続けた時、我々はいつか側へ来た守衛《しゅえい》の口から、閉館の時刻がすでに迫っていると云う事を伝えられた。子爵と私《わたくし》とは徐《おもむろ....
河童」より 著者:芥川竜之介
りました。僕はパンをかじりながら、ちょっと腕|時計《どけい》をのぞいてみました。時刻はもう一時二十分過ぎです。が、それよりも驚いたのは何か気味の悪い顔が一つ、円....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
かたきうち》は、成否の問題ではなくなっていた。すべての懸案はただその日、ただその時刻だけであった。甚太夫は本望《ほんもう》を遂《と》げた後《のち》の、逃《の》き....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
表情を変えたあの女が、じっと己の目を見つめた時、――己は正直に白状する。己が日と時刻とをきめて、渡を殺す約束を結ぶような羽目《はめ》に陥ったのは、完《まった》く....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
水の動くのにつれて、揺籃《ゆりかご》のように軽く体をゆすられるここちよさ。ことに時刻がおそければおそいほど、渡し船のさびしさとうれしさとがしみじみと身にしみる。....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
計を出して見た。しかし時計はどうしたのか、八時十五分になりかかっていた。彼はこの時刻の相違を時計の罪だと解釈《かいしゃく》した。「きょうは乗り遅れる心配はない。....
少年」より 著者:芥川竜之介
日本の風景画ではない。水路の両側に家々の聳《そび》えたどこか西洋の風景画である。時刻はもう日の暮に近い頃であろう。三日月《みかづき》は右手の家々の空にかすかに光....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
云々の記事が見えるのに徴しても、明である。それから乗合はほかにはなかったらしい。時刻は、丁度昼であった。――筆者は本文へはいる前に、これだけの事を書いている。従....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
戸を叩く音が、突然荒々しく聞え始めました。 二 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外を通りかかった、年の若い一人の日本人があります。それがどう思っ....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
とうとう倦怠と嫌悪の巣にしてしまった。 私は三十年このかた来る日も来る日も同じ時刻に臥床を匍い出した。三十年このかた同じ料理屋へいって、同じ時刻に同じ料理を食....
初雪」より 著者:秋田滋
いても寒さに悩まされた。骨の髄まで冷たくなってしまうような気がした。良人は夕餉の時刻にならなければ帰って来なかった。絶えず猟に出かけていたからである。猟に行かな....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かくるはずに相なりおり候。バルロー君も来会せらるべく、氏よりして貴男爵夫人もその時刻を知りたき御思召の由承わり申候。もし学究の仕事と生活とを御了知遊ばされたき御....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
声を聞くこともある。近隣一帯には伝説は豊富だし、幽霊のでる場所も多いし、うす暗い時刻につきものの迷信もあまたある。流星がとぶのも、隕石がひらめくのも、この谷間で....
親ごころ」より 著者:秋田滋
師の膝にのって、声をたててキヤッキヤッ笑っていた。 それから三日たって、夕餉の時刻に、車大工とその女房が膳につこうとすると、子供がいつの間にか家にいなくなって....