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時半
「時半〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時半の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
よ弔辞に対する忌《いま》いましさを感じ出した。
この時大きい柱時計の静かに十二
時半を報じたのは云わばニュウトンの足もとへ林檎《りんご》の落ちたのも同じことであ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
通した後《のち》、憂鬱にまたポケットの底の六十何銭かを考えはじめた。……
十一
時半の教官室はひっそりと人音《ひとおと》を絶やしている。十人ばかりの教官も粟野さ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
に面白くない響を伝えたのは、果して私の気のせいばかりだったでしょうか。いや、この
時半ば怨ずる如く、斜《ななめ》に彼を見た勝美《かつみ》夫人の眼が、余りに露骨な艶....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
は何の為か、僕の見送りには立たなかった。
※江丸の長沙を発したのは確か七時か七
時半だった。僕は食事をすませた後、薄暗い船室の電灯の下《もと》に僕の滞在費を計算....
「路上」より 著者:芥川竜之介
あった。そうしてそれが時の移ると共に、次第に頁から頁へ移って行った。……
十二
時半、一時、一時二十分――書庫の上の時計の針は、休みなく確かに動いて行った。する....
「白」より 著者:芥川竜之介
はそのために非常動員を行い、全町に亘《わた》る警戒線を布《し》いた。すると午後四
時半ごろ右の狼は十字町《じゅうじまち》に現れ、一匹の黒犬と噛《か》み合いを初めた....
「早春」より 著者:芥川竜之介
蛇《こへび》を啣《くわ》えている。永久に――しかし彼は永久にではない。腕時計の二
時半になったが最後、さっさと博物館を出るつもりである。桜はまださいていない。が、....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
職工用の青服だのカアキ色のマントだのをぶら下げていた。
その夜《よ》学校には六
時半から、英語会が開かれるはずになっていた。それへ出席する義務のあった彼はこの町....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
たちを山から帰らせなかった私をお前たちが残酷だと思う時があるかも知れない。今十一
時半だ。この書き物を草している部屋の隣りにお前たちは枕を列《なら》べて寝ているの....
「星座」より 著者:有島武郎
*
札幌に来る時、母が餞別《せんべつ》にくれた小形の銀時計を出してみると四
時半近くになっていた。その時計はよく狂うので、あまりあてにはならなかったけれど、....
「親子」より 著者:有島武郎
方で弾条のゆるんだらしい柱時計が十時を打った。彼も自分の時計を帯の間に探ったが十
時半になっていた。 「十
時半ですよ。あなたまだ食わないんだね」 彼は少し父にあ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
うとする牡馬の様に、暗闇の中で眼を輝かした。 とうとう仕事は終った。其の日は三
時半で一統に仕事をやめ、其処此処と残したところに手を入れて、偖て会社から検査員の....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
した。そこへ白い服を着た給仕が一人|焚き木を加えに歩み寄った。 「何時?」 「三
時半ぐらいでございます」 しかし向うのロッビイの隅には亜米利加人らしい女が一人....
「墓」より 著者:秋田滋
一八八三年七月十七日、草木もねむる真夜なかの二
時半のことである。ベジエ墓地のはずれに建っている小さなほったて小屋に寐起きをして....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
登ったが、二度目の時は丁度噴火のあった際であり、それに噴火口に着いたのが夕方の七
時半だったので、一段の壮観をほしいままにした。 六月にはテルニに行って、大瀑布....