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時疫
「時疫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時疫の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「堺事件」より 著者:森鴎外
剣を教え、その他の人々も思い思いに諸芸の指南をした。 入田村は夏から秋に掛けて
時疫の流行する土地である。八月になって川谷、横田、土居の三人が発熱した。土居の妻....
「死者の書」より 著者:折口信夫
えて翌年、益々盛んになって、四月北家を手初めに、京家・南家と、主人から、まず此|
時疫に亡くなって、八月にはとうとう、式家の宇合卿まで仆れた。家に、防ぐ筈の石城が....
「高瀬舟」より 著者:森鴎外
議でなりませぬ。全く夢中でいたしましたのでございます。わたくしは小さい時に二親が
時疫でなくなりまして、弟と二人あとに残りました。初めはちょうど軒下に生まれた犬の....
「文づかい」より 著者:森鴎外
こより遠からぬブリョオゼンという村にあわれなる孤ありけり。六つ七つのときはやりの
時疫にふた親みななくなりしに、欠唇にていと醜かりければ、かえりみるものなくほとほ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
通り静かにしているじゃないか」 「……じつは、たったひとりの伜が、このほどからの
時疫《じやみ》で、昼夜をわかたぬ大熱《たいねつ》。……ひと心地もないうちにも、毎....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
そりゃあ珍だの」 ひょろ松はうなずいて、 「江戸中の悪いやつらが、ひとり残らず
時疫《じやみ》にでもかかって死に絶えてしまったのか。……あっしは十手をあずかって....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
つ》も湧いて来ぬ。その仔細というのは……」 又右衛門の連れあいは、四年ほど前に
時疫《じやみ》で死に、いまは親ひとり子ひとりの家内。 奥むきのことは、お年とい....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。踊の帰りにはいつも遊びに寄って、お浪とふたりで復習《さら》っていましただけに、
時疫《じやみ》で枕もあがらぬということで案じておりましたところ、七日の夕方の五ツ....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
に忌わしと思うべし、道しるべせん男得たまうべきたよりはなしとおぼせという。要なき
時疫の恨めしけれど是非なく、なおかにかくとその石のさまなど問うに、強て見るべきほ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ばなる程
厚かましく、人中に出るようになる。
それ、ばいたが来たから避けろよと、
時疫で死んだ死骸のように、
真面目な人が皆避けるのが、
もう己の目には見えるよう....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
うちに深草《ふかくさ》まで持って行き、それから七日おいて、泰文のところへ、朝霞が
時疫《じやみ》で急に死んだと、実家からあらためて挨拶があった。 「
時疫とは、いっ....