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時節
「時節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
時節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
う》に御笑いになりながら、「そう不平は云わぬものじゃ。やがてはその譜も手にはいる
時節があるであろう。」と、やさしく御慰めになったそうでございます。ところがそれか....
「或る女」より 著者:有島武郎
、空洞《うつろ》のような葉子の目の前で閉じたり開いたりした。赤とんぼも飛びかわす
時節で、その群れが、燧石《ひうちいし》から打ち出される火花のように、赤い印象を目....
「或る女」より 著者:有島武郎
のらしかったが、それが仕上がるのは短い日月にはできる事ではなさそうだった。ことに
時節が
時節がら正月にかかっているから、そういうものの設立にはいちばん不便な時らし....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
しない。なにしろ私は私の実情から出発する。私がもし第一の芸術家にでもなりきりうる
時節が来たならば、この縷説《るせつ》は鶏肋《けいろく》にも値せぬものとして屑籠《くずかご》にでも投じ終わろう。....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
、私の所言を発表して、読者にお知らせしておくのが便利と考えられる。
農繁の
時節にわざわざ集まってくださってありがたく思います。しかし今日はぜひ諸君に聞いて....
「星座」より 著者:有島武郎
た障子の方に向けなおした。
十月の始めだ。けれども札幌では十分朝寒といっていい
時節になった。清逸は綿の重い掛蒲団を頸の所にたくし上げて、軽い咳《せき》を二つ三....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の毛も交って、あの綺麗な小鳥どもが、路傍にはらはらと落ちている。こいつあ、それ、
時節が今頃になりますと、よく、この信州路、木曾街道の山家には、暗い軒に、糸で編ん....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
鋤と鍬だ。 これだと、勢い汗|膏の力作とかいう事にもなって、外聞が好い。第一、
時節がら一般の気うけが好かろう。 鋤と鍬だ、と痩腕で、たちまち息ぜわしく、つい....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
にも興味が乗らないで困ってしまいます……。 やがて私の娘時代にも終りを告ぐべき
時節がまいりました。女の一|生の大事はいうまでもなく結婚でございまして、それが幸....
「諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
おかめが松茸を背負っているという猥褻なのがありましたっけ。こんな子供の玩具にも、
時節の変遷が映っているのですからな。僕の子供の頃の浅草の奥山の有様を考えると、暫....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
すと、もう冬ごもりのしたくです。朝ごとに河面は霧が濃くなってうす寒くさえ思われる
時節となりましたので、気の早い一人の燕がもう帰ろうと言いだすと、他のもそうだと言....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いな――そうして士官になろうとした、 サーベルさげて、軍服すがたに、負革かけて。
時節がくると、おれも士官になりすました。 さてはや、いっこう金はできない。なさけ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
生の本旨は、右二氏の進退に関し多年来心に釈然たらざるものを記して輿論に質すため、
時節を見計らい世に公にするの考なりしも、爾来今日に至るまで深く筐底に秘して人に示....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
┘ とも子 モデルの娘 処 画室 時 現代 気候のよい
時節 沢本と瀬古とがとも子をモデルにして画架に向かっている。戸部は物憂そうに床の....
「活人形」より 著者:泉鏡花
まことや泰助が一期の失策、平常のごとく化粧して頬の三日月は塗抹居たれど、極暑の
時節なりければ、絵具汗のために流れ落ちて、創の露れしに心着かず、大事の前に運悪く....