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「時節柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時節柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
ら手桶《ておけ》の水を汲《く》もうとしてちょいと気がついた。 それというのが、時節柄《じせつがら》暑さのため、恐《おそろ》しい悪い病が流行《はや》って、先に通....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
からいつもの六畳の座敷へわたしを通した。酉の市《まち》の今昔談が一と通り済んで、時節柄だけに火事のはなしが出た。自分の職業に幾らか関係があったせいであろうが、老....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が済んで、茶の間の六畳に横たえてあった。お照の下げられるのが遅いようならば、この時節柄いつまでも仏を打っちゃっては置かれないので、近くの者が寄りあつまって何とか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 老人とわたしと差し向いで、五月の雨のふる日曜日を小半日も語り暮した。時節柄で亀戸の藤の噂が出た。藤の花から藤娘の話をよび出して、それから大津絵の話に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なかった。だが、丸井ではなぜそれを黙っているのかな。そういうことがあったら、この時節柄、きっと届け出ろということになっているんだが……。わからねえ奴らだな」 「....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
着でいた。――あたかもその日、繋がる縁者の葬式を見送って、その脚で廻ったそうで、時節柄の礼服で宵から同じ着附けが、この時際立って、一人、舞台へ出たように目に留ま....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
高音を発し、それが警防団員の耳に焼夷弾が落ちたように響いたものです」と訂正した。時節柄、神経過敏の度もいよいよきつくなってきた。 ◯うちの女房も、情報が「少数機....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のです。そこで役人も一旦は無事に引き揚げたのですが、妖言妄説の取締りを厳重にする時節柄、こういうことを黙許していて善いか悪いか、次第によっては地蔵堂の扉を閉じさ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
と雑魚して居べし。されば……干鯛貝らいし、真経には、蛸とくあのく鱈――」 ……時節柄を弁えるがいい。蕎麦は二銭さがっても、このせち辛さは、明日の糧を思って、真....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
が指定したというもんです。 小児の病気とはいいながら、旅館と来ると湯治らしく、時節柄人目に立つ。新に別荘を一軒借りるのも億劫だし、部屋|借が出ず入らず、しかる....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
まず済ませてしまって、それからだんだん聞いてみると、大尉殿の噂はみな知っていた。時節柄そんな噂を伝えると、それから又いろいろの間違いを生ずるというので、司令部で....
」より 著者:岡本綺堂
ろ倒れているのを往来の者が見付けたんですから、どうして殺されたのか判りませんが、時節柄のことですからやっぱり辻斬りでしょう。ふだんから正直な奴でしたが、可哀そう....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
まず済ませてしまって、それからだんだん聞いてみると、大尉殿の噂はみな知っていた。時節柄そんな噂を伝えると、それから又いろいろの間違いを生ずるというので、司令部で....
妖怪報告」より 著者:井上円了
、確然と厠とは見えまじ、木小屋か物置きのようなる所より起こりしと見しならん。また時節柄、放火が流行するとか、しめりなくして乾きおるとかにて、火の心配たえず心にか....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
、値段と品質とを較べてみたいと思ったんだ』と、見ただけでさっさと帰って行くので、時節柄怪しいお客さんだと思い、調べたら佐伯田さんというお金持の弁護士さんで、手前....